印刷とA8
A8というサイズは、印刷通販企業のメニューを見ても、ほとんど価格が掲載されていません。かなりマイナーな扱いになります。電話連絡用のメモ帳や、カードなどには使えるかもしれませんが、面積も小さいので、多くの情報を詰め込むことはできません。
A8サイズの印刷物としては、商品タグなどに利用されています。商品タグに利用する場合は、商品に合わせて紙質を工夫し、紐を通す穴などの加工をすることもあります。また、紙の厚さも少し厚めの用紙を利用します。
また、シール、ラベルでもこのサイズが利用されますが、シールラベルはサイズ優先ではなく、使われる商品やスぺースによってサイズが決定されます。
もちろん、冊子としては文庫本よりかなり小さいので、市販されているものとしてはほとんど存在しません。海外に愛好家が多い、豆本、ミニチュアブックの領域に入ります。
西洋では16世紀ごろ、聖書や童話などが出版されています。わが国でも江戸時代、「馬上本」として携帯目的で制作されています。
印刷はA7やA6サイズで印刷し、それを断裁、分割すればA8に仕立てることも可能ですが、一番苦労するのは製本です。機械では製本できないので、人の手で作業するしかありません。豆本の制作については、インターネットのサイトに詳細の作り方が掲載されているので、興味のある方は、参考にしてください。
フランスのブロックメモの定番である、RODHIA社のメモ帳として、極小サイズといわれているNo.10が52mm x 75mmですから、ほぼA8サイズです。掌にぴったりサイズとして知られ、ちょっとしたメモ作成に便利に利用されています。
A8用紙の郵送、梱包など
A8というサイズの場合、コピー用紙のように薄い紙であれば、1枚あたりの重量は0.3g前後になります。この重さであれば、定形用封筒に82円で80枚、92円で160枚程度入れることができます。もちろん厚紙の場合は数量が変化しますので、計量器などで計測してください。
封筒は定形封筒の長形3号(120mm x 235mm)、4号(90mm x 205)、横長の洋封筒、洋3(148mm x 98mm)や、洋4(235mm x 105mm)、角型の角7(142mm x 205mm)、角8(119mm x 197mm)などの定形封筒に梱包することができます。厚さが10㎜以下になるように注意してください。
紙の規格について
A系列の紙はドイツの物理学者オズワルドによって決められたものです。
A0(841mm x 1189)というサイズは、縦横比が白銀比と呼ばれる、美しいカタチをしているとともに、A0を半分にするとA1、それをさらに半分にするとA2になり、カタチは変わらず、断裁による無駄な紙も発生しない、合理的な規格になっています。
まとめ
今回はA系列の用紙のA8というサイズの用紙を取り上げました。A系列ではA6が卓上カレンダーなどに利用されていますが、それ以下のA7、A8サイズになると、本格的な印刷物としては少し小さすぎて、あまり使われていません。具体的にはカードやメモ帳など数える程度です。