製本印刷の方法とは?自宅でできる方法から印刷会社への依頼まで

冊子、パンフレット、カタログなどを制作する際、複数のページをまとめて一冊にする「製本」は仕上がりを左右する重要な工程です。本記事では、製本の基本や種類、家庭での手軽な作成方法から、印刷のプロに依頼する際のポイントまで詳しく解説します。

冊子、パンフレット、カタログなどを制作する際、複数のページをまとめて一冊にする「製本」は仕上がりを左右する重要な工程です。本記事では、製本の基本や種類、家庭での手軽な作成方法から、印刷のプロに依頼する際のポイントまで詳しく解説します。
目次
製本とは、ページを一定の順序で綴じる技術です。
製本方法にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。ここでは、以下のの4つの製本方法について紹介します。
・中綴じ
・無線綴じ
・平綴じ
・綴じなし(スクラム製本)
中綴じとは、中央をホチキスで留める中綴じ方式です。
冊子の中央を針金で貫通させて綴じるため、数ページ~50ページの比較的薄い冊子、パンフレット、広報誌に適しています。
〈ページ構成の注意点〉
中綴じは、紙の中央を折る製本方式であるため、ページ数は必ず4ページ単位(例: 8P, 12P, 16P)で構成する必要があります。 これは、1枚の用紙が折りたたまれて4ページ分の印刷面を持つためです。ページ数が4の倍数でない場合は、空白ページを追加するなどして調整する必要があります。
無線綴じとは、背を糊で固める無線綴じ方式です。
ホチキスや糸を使わず接着剤でページを強く固定するため、中綴じでは対応できない厚い冊子に対応できます。また、背表紙ができるため強度が増し、頻繁な利用や長期保存にも耐える高い耐久性もあります。
〈ページ構成の注意点〉
無線綴じは、接着剤で固める仕組みのため、2ページ単位のページ構成で問題ありません。 ただし、ページ数が奇数の場合は、デザイン段階で空白ページを挿入するなどの調整が必要です。
平綴じとは、ページの端をホチキスや針金で綴じる方式です。
ページの端を綴じるだけのため、社内資料、報告書、会議資料など、素早く作成したい簡易的な冊子に適しています。
〈ページ構成の注意点〉
平綴じは、ページの端をホチキスや針金で綴じるのみのため、2ページ単位のページ構成で問題ありません。 ただし、ページ数が奇数の場合は、デザイン段階で空白ページを挿入するなどの調整が必要です。
綴じなし(スクラム製本)とは、ホチキスや接着剤を一切使用せず、ページ順に重ねた用紙を二つ折りにするだけで冊子状にする方式です。
糊や針金による加工をいないため、短期間での大量制作に適しており、数ページ~50ページのフリーペーパーなどに採用されています。
〈ページ構成の注意点〉
綴じなし(スクラム製本)は、中綴じと同じく、ページ数は必ず4ページ単位(例: 8P, 12P, 16P)で構成する必要があります。 これは、1枚の用紙が折りたたまれて4ページ分の印刷面を持つためです。ページ数が4の倍数でない場合は、空白ページを追加するなどして調整する必要があります。
少量の冊子やパンフレットを手軽に、コストを抑えて作りたい場合は、家庭用プリンターやコピー機を使って、自分で製本することを検討しましょう。
自分で製本する際の手順と注意点は以下の通りです。
①用紙の種類・サイズ・ページ数を決める
目的に合った用紙のサイズや厚さ、質感を選びます。
中綴じや平綴じを自分で行う場合、厚くなりすぎるとホチキスの針が用紙を通りきらないことがあります。 そのため、ページ数や用紙の厚さに配慮し、厚みが抑えられるように注意することが必要です。
②印刷前確認
ページの順番やレイアウト、余白を確認します。
③テストプリント
必ず数枚だけテストで刷ってみて、ページの並び順や、仕上がりサイズが正確かを確認します。
④本印刷
問題がなければ、必要な部数を印刷します。
⑤製本
印刷した用紙を正しい順番で重ね、冊子の形に整えます。作業中にページがずれないようにクリップなどで仮留めするとよいでしょう。
自分で製本する場合、「中綴じ」「平綴じ」「綴じなし(スクラム製本)」が比較的簡単で一般的です。
〈綴じ方とコツ〉
・中綴じ
両面印刷した用紙を中央できれいに二つ折りにし、折り目に沿ってホチキスや専用の針で留めます。中央に針を通すスペースを確保し、ページがずれないように慎重に整えるのがポイントです。
・平綴じ
重ねた用紙の端をホチキスで固定します。
・綴じなし(スクラム製本)
ページ順に重ねた用紙を二つ折りにするだけで完成です。
〈無線綴じの注意点〉
無線綴じは家庭で行うには難易度が高いですが、接着剤と重しを使えば行うことは可能です。
無線綴じは、糊付けした部分は本を開いたときに見えにくくなります。そのため、テキストが綴じ部分で見えなくなってしまわないように、ページデザインの段階で内側の余白を広めに取り、調整しましょう。
また、見開き(左右のページをまたぐ)のデザインがある場合も、綴じ部分でデザインが分断されないよう、境界から少しずらす工夫が必要です。
自分で家庭用プリンターで製本をする場合、「冊子印刷」モードを利用すると、印刷の際にページの順番を自動で整えることができます。
コピー機の場合も、同様に冊子印刷機能を使うことで、用紙の配置や余白の調整が簡単に行えます。
綴じ部分に印刷面が含まれる場合は注意が必要です。特に無線綴じの場合、糊付け部分は本を開いたときに見えにくくなります。このため、テキストなどの重要な要素が綴じ部分で見えなくなってしまうことがないように、ページデザインの段階で調整することが必要です。
ページをまたぐ要素がある場合、その重要な部分をページの境界から適度にずらすなどの工夫が必要です。これにより、見開きのデザインが綴じ部分で隠れたり分断されたりすることを防ぐことができます。
高品質な仕上がりや大量部数が必要な場合は、印刷会社への依頼も検討しましょう。依頼前に、以下のポイントを押さえておくとスムーズです。
①仕様の決定
冊子のサイズ、ページ数、紙質、製本方法(中綴じ、無線綴じ、平綴じ、綴じなし(スクラム製本)など)を決めます。
②入稿データの準備
会社ごとに推奨されるデータ形式(PDFなど)や解像度、文字フォントを確認し、適切に準備すします。
必要に応じて、校正サービスを利用すると、仕上がりのイメージと大きな違いが生じることを防げます。
③コストと納期の確認
納期に余裕を持たせることでコストを抑えられるため、余裕をもって計画を立てましょう。
急ぎの場合は追加料金が発生することがあります。
複数の印刷会社を比較し、品質や価格、サービス内容を検討することで、最適な選択ができます。
最終的に、依頼前に詳細をよく確認し、正確な指示を伝えることが、満足のいく冊子印刷の鍵となります。
ラクスルでは、各製本方法に対応したサービスを用意しています。用途や目的に応じて最適な製本形式を選択可能です。
「中綴じ冊子」:中央をホチキスで留める中綴じ方式。パンフレットや広報誌などに最適です。
「無線綴じ冊子」:背を糊で固める無線綴じ方式。ページ数が多い冊子やカタログ向けです。
「配布・ビジネス資料印刷(平綴じ・ホチキス綴じ)」:ページの端をホチキスや針金で綴じる方式。
「綴じなし(スクラム製本)冊子」:ホチキスや接着剤を一切使用せず、ページ順に重ねた用紙を二つ折りにするだけで冊子状にする方式。案内チラシや短期間の配布資料に便利です。
ラクスルには自宅で製本するよりも短時間で、かつ高品質な冊子を手軽に作成できる製本サービスが充実しています。「中綴じ冊子」「無線綴じ冊子」「配布・ビジネス資料印刷(平綴じ・ホチキス綴じ)」「綴じなし(スクラム製本)冊子」など、用途に応じた最適な製本形式を選ぶことができます。スピードと品質の両立を求める方におすすめです。
