横綴じとは?写真や絵の広がりを活かす製本方法
横長の仕上がりになる本の短辺側で綴じた「横綴じ」は、通常の本(縦綴じ)に比べてイレギュラーな印象を与えます。しかし、写真集や絵本などでは、効果的なデザインの誌面を作ることができます。 ここでは、横綴じの特徴やメリット・デメリットについてご紹介しましょう。
横長の仕上がりになる本の短辺側で綴じた「横綴じ」は、通常の本(縦綴じ)に比べてイレギュラーな印象を与えます。しかし、写真集や絵本などでは、効果的なデザインの誌面を作ることができます。 ここでは、横綴じの特徴やメリット・デメリットについてご紹介しましょう。
目次
世の中に流通している本や冊子の多くは、本の長辺で綴じる「縦綴じ」で作られています。しかし、数は多くありませんが、短辺を綴じる「横綴じ」も使われています。
では、なぜ横綴じが多く使われるのか、その特徴や用途などを見ていきましょう。
横綴じの本は、ページを開いたときに、横に広いスペースをとれることが最大の特徴です。
会社案内やカタログなどに多く使われるA4サイズの縦綴じの場合、本を開いた状態(見開き)のサイズは、縦297mm、横420mmとなります。
ですが、同じくA4サイズを横綴じにすると、見開き時の寸法は、縦210mm、横594mmとなり、縦綴じよりも1.4倍近く横が長いことになります。
横に長いという特徴は、写真集や絵本に向いている場合があります。例えば、風景写真は横長に撮ることが多いでしょう。
また、車やオートバイなど、横長の商品のパンフレットやカタログは、横綴じで作られることが多い傾向があります。
次に、横綴じのメリットとデメリットについてご紹介しましょう。
1対2.83という縦横比を使えば、スケールの大きさを表現できます。例えば、見開きのいっぱいに風景写真などを掲載すれば、パノラマの大迫力を演出できます。車やオートバイのパンフレットであれば、横方向への疾走感を表現するにもぴったりでしょう。
縦綴じでは差別化がしにくいですが、横長の誌面は少数派なので、新鮮さを感じることがあります。また、画像とテキストの配置や余白を活かしたレイアウトを施すことで、おしゃれで洗練されたイメージを演出できます。
横綴じのデメリットは、内製しにくいという点です。A4仕上がりの縦綴じの印刷物を作る場合、A3用紙に印刷して二つ折りにし、折り部分をステープルで綴じれば完成です。これなら、社内のコピー機で作ることも難しくないでしょう。
しかし、横綴じの場合、縦210mm、横594mmという変形用紙を用意しなくてはならないため、内製は難しくなります。
印刷物としてはイレギュラーな横綴じですが、題材や用途、使い方によっては、新鮮な印象を見る人に与えることができます。また、商品パンフレットや会社案内に使えば、ほかとは違う独自性をアピールすることができるでしょう。
しかし、横長の誌面はレイアウトの難しさもあり、デザインをきれいにまとめるのは簡単ではありません。予算が許すのであれば、デザインのプロである制作会社に依頼するのがベストです。また、印刷所の中には、無料のデザインテンプレートを用意しているところもあります。このテンプレートを使えば、横綴じの特性を活かしつつ、コストをかけずに高品質なデザインに仕上げることも可能です。どこまで外注し、どこまで内製するのか、コストやクオリティなどを意識しながら決めていきましょう。