シール・ステッカーの粘着力と糊の関係、ベタベタのはがし方は?

シール・ステッカー・ラベルなどの印刷に使用する糊にはさまざまな種類があり、粘着の強度も異なります。
それぞれの粘着強度・糊の特徴を理解して、用途や目的に沿ったシールの注文を行いましょう。
また、シールのはがし方についてもご紹介いたします。
シール・ステッカー・ラベルなどの印刷に使用する糊にはさまざまな種類があり、粘着の強度も異なります。
それぞれの粘着強度・糊の特徴を理解して、用途や目的に沿ったシールの注文を行いましょう。
また、シールのはがし方についてもご紹介いたします。
シール印刷の糊には、大きく分けて3つの粘着強度があります。粘着強度によって、どのような用途への使用が考えられるかみていきましょう。
・普通粘着糊
普通粘着タイプの糊は、一番多くの用途に使えるタイプになります。さまざまな材質にも使うことができ、一般的なシールを作る場合、ほとんど「普通粘着」の糊が使用されています。
ただし、シールを剥がした後に糊やシールの破片が残るので、商品に直接貼る場合や、きれいに剥がしたい商品の場合には適しません。
・強粘着糊
普通粘着の粘着力をさらに高めたい糊になります。貼り付けた後は、剥がれないので、「剥がれては困るもの」に貼る場合に使用します。
例えば、タイヤ用のステッカーやドラム缶、ガスボンベ、消火器のラベルなどに使用します。
表面がでこぼこしているものや、湾曲しているものでも、強粘着の糊であれば、剥がれることなく貼ることができます。
・弱粘着糊
3つのうちで一番粘着力が弱く、シールを剥がした跡が残っては困るものには、弱粘着の糊の使用が適しています。一度剥がすと、再度の貼り付けは難しいものや、何度も貼ったり剥がしたりできる、微粘着糊など粘着力のグレードがありますので、シール作成の際に相談しましょう。
弱粘着のシールは、病院の点滴バックのネームラベル、オフィスの付箋、ジュースの缶などについているキャンペーン用のシールなどに使われています。
シールの用途によっては、専用の特殊な糊を使用する必要があります。用途別にどのような糊があるのかみていきましょう。
・冷食用粘着糊
冷凍食品に使用するシールは特殊なものです。一般的にシールの糊は、水分がつくことで粘着力が弱まります。冷凍食品に貼り付けるシールは、水分がつく機会が多くあるので、普通の糊では剥がれてしまうからです。
冷凍色以外にも、水滴が発生しやすいもの、例えば冷蔵庫から出し入れする機会が多い飲料製品のラベルにも使用されています。
・冷凍用粘着糊
冷食用粘着は、冷凍食品のための糊ですが、こちらは、「冷凍用粘着」糊です。冷凍食品のように冷凍庫から出し入れする機会が多いものではなく、基本的には冷凍庫の中で保存するものには、こちらの糊を使用します。
・砥石(といし)用粘着糊
とても粘着強度が強い超トイシ糊です。表面がでこぼこした壁などに貼り付ける場合に使用します。
ただし、一度貼り付けると剥がれず、貼り直しもできないため、貼る際には細心の注意が必要です。
・再剥離粘着糊
剥がした後に糊が残らず、きれいに剥がせるタイプのシールを作るさいに使用されます。
例えば、宅急便の送り状などに使用されます。力も要らずきれいに剥がすことができます。ただし、粘着力はかなり弱いので、すぐに剥がす目的のものに向いています。
・強粘再剥離粘着糊
貼った後に糊が残らず、きれいに剥がせると同時に簡単に剥がれにくいという便利な糊のタイプです。
貼ったり剥がしたりも容易にできるので、何度も貼る場所を変える可能性があるものなどに適しています。
例えば、バスの窓に貼られているステッカーはこのタイプの糊を使用して作られています。
・訂正用粘着糊
糊にグレーの着色がしてあるため、シールの裏面が透けないようになっている粘着糊です。
印刷のミスを訂正する際に使用しますが、シール自体にも糊のグレーが透けてグレーよりの色になります。印刷紙と色を合わせたい場合などにはご注意ください。
シールの粘着力や糊にはさまざまな種類があること、ご理解いただけたでしょうか。最後に、シールのはがし方のコツをご紹介いたします。
コツを意識してシールを剥がそうとしても、シールの貼り付け期間や環境、糊の種類などによってはベタベタとした糊残りが発生してしまう場合があります。
また、接着対象を痛めてしまう可能性もあります。必ず目立たない箇所で確認を行ったうえでシールを剥がすようにしましょう。
・市販のシール剥がし剤を使用する
シール剥がし剤は100均やホームセンターで売っています。剥がし剤は、何に使うかによって適したものが異なりますので、用途に合わせて最適なものを選択しましょう。
剥がし方は簡単で、剥がし剤をシールに添付し、数分待ちます。あとは丁寧に剥がすだけです。
シールが大きい場合には剥がし剤を添付する前に、カッター等でシールの表面に切り目を入れておくと、剥がし剤が浸透しやすくなります。
また剥がす際には、ヘラを使うとスムーズに剥がすことができます。
・ドライヤーの熱を利用する
シールは加熱すると、粘着力が弱くなります。この性質を利用して、剥がしたいシールをドライヤーの温風で温めると、シールを剥がすことができます。
綺麗に剥がすには、まず角を少し剥がし、接着面をドライヤーで温めながら、ゆっくりと少しずつ剥がしていくことがポイントです。
ただし、ドライヤーを近づけすぎると糊が溶け過ぎて、逆に剥がしにくくなる場合もあるので注意しましょう。
なお、シールが貼られている側の素材が熱に弱い場合には、この方法は適さないので他の方法で剥がしましょう。
・中性洗剤を使用する
シール表面が撥水加工されていない場合には、台所洗剤等の中性洗剤もおすすめです。
まず、中性洗剤をシールに添付します。洗剤をかけたシールをラップで覆い、15分程度おいておきます。
その後、ゆっくりと剥がしていくときれいに剥がすことができます。
洗剤をそのままにしておくと素材が変色する場合もありますので、最後にしっかりと洗剤をふき取りましょう。