カタチで変化を表現
もっとも簡単な方法は、冊子形態の変化です。カタチの変化は、第一印象を変えます。具体的には、オーソドックなA4形態から、A5やB4などの大きさや、縦横の変化によって、イメージを変えます。
通常の冊子形態ではなく、「巻三つ折り」や「観音折り」といった「折りパンフレット」や、DMや大型ポスターを利用して、会社案内を表現することもできます。
さらに、自社の商品などに模して、特殊なカタチを採用することで話題づくりをすることもできますが、ここまでくると専門家と相談した方が良いでしょう。
グラフィック表現・写真で変える
グラフィックや写真を多用して、コンテンツ自体のビジュアル的な変化を狙う試みです。一時期流行ったマンガによる企業案内や、写真を前面に出した表現、グラフや統計数値をグラフィックに表現する「インフォグラフィックス」の活用も、顧客の注目を集めるための手法です。
オーソドックスな会社案内はどうしても、パターン化したレイアウトが中心になりますが、化粧品やファッションなどを扱う企業であれば、自社の商品写真を大胆に取り入れて、ファッション誌的な演出で編集するのもアイデアです。
紙・構造で変化させる
一般的な会社案内にはコート紙、マット紙、上質紙などが使われますが、紙の専門商社では様々な色合い、エンボスなどの地模様の入った用紙や、特殊な紙が用意されています。専門家と相談しながら、これらの紙を利用することも検討に値します。
新聞用紙のような紙で、新聞を模して編集するといった手法や、構造ディレクターとの相談ですが、飛び出す絵本のようなポップアップ構造などもギミックとしては面白い範疇です。
デジタルの仕掛けを仕込む
最近よく見かけるQRコードを利用して、ネットの世界にリードし、映像などで会社案内を補強することもできます。ネット印刷の場合は、原稿作成者の責任によって入稿する必要がありますが、会社案内の一つの試みかもしれません。
また、デジタル印刷機も以前に比べるとだいぶこなれてきました。オンデマンド印刷機能を利用して、CRM的なアプローチもアイデアの一つです。
まとめ
今回は、カタチの変化を中心に会社案内の差別化について解説しましたが、本質は会社案内に含まれている情報の質を高め、競合他社に対して、お客様に違いを発見して頂くことにあります。
オーソドックスな会社案内は、ある意味安心して見ることができますが、従来の枠を超えて発想することも大事です。会社案内だけが突出するのではなく、会社自体が変化し、それを表現するツールとして、新しいカタチが提案されるのが基本です。
このような提案は、社内的にもコンセンサスを十分にとる必要があります。そして、何よりも会社案内は「会社の顔」です。入念な根回し、トップの賛同を取り付けて取り組みましょう。