価値観を揃える
採用案内はPRや販促パンフレットとは異なります。会社案内や販促パンフレットでは、なんとかして、受注や販売につなげたいという思いで、言い回しがオーバーになることがあります。
それと同じ発想で採用パンフレットを作れば、おのずと価値観のギャップが生まれ、ギャップは永遠に埋まることのないものになります。
採用パンフレットでは、このようなギャップを作らないことが基本です。制作にあたっては、入社年度が若く、学生の考え方を理解できるスタッフをプロジェクトに入れることをお薦めします。
赤信号を早くキャッチし、対応策を構築する
「いつもより応募者が少ない」「内定辞退者が多い」「面接がどうもしっくりこない」といった赤信号をキャッチしたら、謙虚にその原因を解明しましょう。
就職活動の期間は限られているので、採用パンフレットを差し替えるようなことはできませんが、会社説明会や面接で誤解や認識の違いを修正することはできます。
会社説明会、入社試験、面接、内定式以外にも、SNSやメールなどを利用して、細かなコミュニケーションの機会を作り、認識のギャップを埋めていく作業も効果的です。
ギャップを作らない採用パンフレットの制作
それでは、採用パンフレットの制作について少し考えていきましょう。まずは、当たり前ですが「噓をつかない」です。
そして受験者の「知りたい」というニーズに応えていない点があれば、採用パンフレットで解決していくのか、人事部門の個別の対応で対処するのかなどを、広報や人事などの関係者で共有しましょう。
会社説明会や、面接は極めて短い時間しかありません。志望の会社が自分のやりたいことを実現できるのか、そして、その会社に相応しいのかを、受験者が判断できるような編集を心がけましょう。心を落ち着けて、じっくりと向き合えるのが、紙媒体の特徴です。
同世代の意見をしっかりと受け止めましょう
会社にいるとどうしても会社の論理が先に来てしまいます。会社経験が長ければ、長いほど、その傾向は強くなります。採用案内では、入社1年目などの先輩の仕事ぶりや、入社後の経験などを紹介します。
彼・彼女らのインタビューをする時には、単に編集のための材料を集めるだけでなく、学生の時にはどう考えていたのかといった、同世代の発想、意見、考え方をくみ取って、制作に活かしましょう。
競合他社のチェック
一般的に受験者は、ある程度業種を絞って就職活動を行います。採用パンフレットの編集にあたっては、自社のブランド価値を整理するとともに、競合会社の情報を整理し、競合会社との差異や、強み・弱みを整理して、編集に活かします。
もし、あまり経験がない場合には、採用パンフレット専門の編集プロダクションなどと相談するのも良いと思います。
まとめ
会社の一番の財産は「人」だとよく言われます。変化の激しい21世紀のビジネス環境においては、まさしく優れた人材の採用強化が企業の存続を左右します。入社時のギャップを最小にして、学生にも会社にもハッピーな体制作りに、採用パンフレットを活用しましょう。