会員制のメリットとは?あえて導入する理由と仕組み
「会員制」と聞くと、高級で限られた人にしか利用できないものというイメージがあります。 スポーツジムやレッスン教室などは会費を払って受講するのが一般的ですが、飲食店やスーパーが会員制のスタイルをとることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
「会員制」と聞くと、高級で限られた人にしか利用できないものというイメージがあります。 スポーツジムやレッスン教室などは会費を払って受講するのが一般的ですが、飲食店やスーパーが会員制のスタイルをとることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
会員制スーパー「コストコ」は、年会費を払わなければ入場ができません。普段の生活で利用するスーパーで年会費を払うことに、消費者は抵抗を覚えるどころか、その人気はますます加熱しています。これは会員制スーパーでの買い物という行為が、一種のブランド品のような存在となっていることを現しています。メディアによる広告やクチコミによって、そのブランドを手に入れたいと思う人が日々増えているのです。
京都・祇園の花街では、お茶屋は「一見さんお断り」となっています。これはそのお店の馴染み客と同伴し、お店の客としてふさわしい人物であることを女将さんに認められた人だけが、お店に通えるシステムです。こうすることでお茶屋は品位を保ち続け、「このお店を紹介できる」というステータスを馴染みのお客様に提供します。一回限りの満足感で終わらず、お店自身がお客様のステータスとなることによって、お茶屋は成り立っているのです。
「自分の腕を理解してくれる人だけにサービスを提供したい」という理由で会員制にしているお店があります。飲食店に多く見られるスタイルです。そのサービスに納得したお客様は、ファンとしてお店を気に入り、会員になります。ファンの方の熱心なクチコミは、他のどのような宣伝よりも効果があります。クチコミを聞いたお客様は確実にサービスを求めて訪れるため、顧客獲得のアプローチをあれこれ考える必要はなく、宣伝費などもかかりません。その分、目の肥えたお客様を納得させる、高い技術が求められます。
会員制と区切ることで、当然ながらお客様の数は制限されます。しかし、納得させるサービスによって得た信頼は、お客様との長いお付き合いを約束し、安定した利益をもたらすことに繋がります。会員制のお店は、お店とお客様の信頼関係によって成り立っていると言えるでしょう。