読みやすいチラシを制作するための縦書きと横書きの使い方
チラシを制作するのに悩ましいのが文章を縦書きにするのか横書きにするのかということです。基本的な考え方は「読み手にとって読みやすいかどうか」で判断することなのですが、ある程度の暗黙の了解やルールというものも存在します。 どのようなシチュエーションで縦書きを選ぶべきなのか、もしくは横書きを選ぶべきなのか。その基本的な考え方について説明していきます。
チラシを制作するのに悩ましいのが文章を縦書きにするのか横書きにするのかということです。基本的な考え方は「読み手にとって読みやすいかどうか」で判断することなのですが、ある程度の暗黙の了解やルールというものも存在します。 どのようなシチュエーションで縦書きを選ぶべきなのか、もしくは横書きを選ぶべきなのか。その基本的な考え方について説明していきます。
縦書きに最も適しているのは和風なチラシを作るときです。日本語は縦書きが基本なので、縦書きにするだけで文章が和の雰囲気を持つことになります。日本語は横書きよりも縦書きのほうが圧倒的に美しくなるという利点もあります。見た目が美しい文章は読みたくなる文章でもあるのです。
しかも私たち日本人は縦書きに慣れ親しんでいます。いまでこそPCやタウブレット、スマホの影響で横書きが中心になっていますが、幼いころに読んだ本は縦書きだったはずです。チラシの文章を縦書きにすることで、それを目にした人は書かれていることを深く読むようになるのです。
ニュースの原稿なども「読みやすい」という理由で縦書きになっています。新聞も基本的に縦書きで構成されています。少なくとも日本人にとって「きちんと読んでもらいたい」文章は縦書きのほうが適しています。
チラシを読んでもらいたい対象が年齢層の高い人たちという場合も縦書きが向いています。彼らは縦書きに慣れ親しんでいるだけではなく、いまどきの横書きの文章にも慣れていないため、横書きされているというだけで読まれない文章になってしまうことがあるからです。
これだけメリットがあってもチラシが縦書き中心にならなかったのはチラシをデザインするうえで、絶対的に横書きのほうが向いている場面があるからです。どんなときに縦書きよりも横書きが優れているのかについて次に説明します。
インターネットの普及によって最近では横書きの日本語の文章を目にすることが増えてきました。ホームページやブログのほとんどは横書きになっています。そのためチラシの対象が若者である場合は横書きのほうが親しみを感じてもらえます。
また英数字が入った文章を表示するのも横書きのほうが向いています。そもそも英数字を使っている英語が横書きであるため、英数字を縦書きにすると読みづらくなってしまうからです。住所や電話番号、ホームページのURLだけではなく、例えばイベントを開くときの開催日時なども横書きが適しています。適しているというよりは横書き以外で書くメリットはひとつもありません。
例えば数字の10を書くときに、縦書きの場合非常に混乱することになります。数字を「1」「0」と縦に並べるとそれを10であると理解してもらうのに時間がかかります。漢字の「十」を使うこともできますが、他の文字に埋もれてしまって目立たなくなってしまいます。アルファベットでも同じです。
情報を文章ではなく、小さく分けて箇条書きにするような場合も横書きが基本になります。横書きは深く読んでもらうのには適していませんが、パッと見で全体を理解してもらうことには向いています。長々と書かない箇条書きは全体を把握してもらう横書きとの相性がよいのです。
チラシ作成の技術が高くなると縦書きと横書きを組み合わせたレイアウトができるようになります。読み手の視線の流れも考慮して、意図的に縦書きと横書きを組み合わせるのです。例えばキャッチコピーを横書きにして、読ませたい文章を縦書きにします。新聞でよく使われる手法です。
パッと目に入る見出しに横書きを使うことで全体を把握してもらい、詳細な情報を縦書きにすることで動きに変化をつけることができます。すべて横書き、すべて縦書きにするとありきたりのデザインのチラシしか作れません。縦書きと横書きを組み合わせることで見た目にもインパクトのあるデザインを作ることができるのです。
掲載する情報量が少なく箇条書きになる場合は、箇条書きを横書きに、見出しを縦書きにするという手法もあります。見出しと情報の内容をはっきりわけることでチラシそのものにメリハリを持たせることができるというメリットがあります。
どちらにしても大切なのは、いかにしてチラシを手にした人が書かれている内容を短時間で理解してもらえるかということです。チラシを手にした人は長々とそれを読んでくれるようなことはほとんどありません。まずはキャッチコピーで惹きつけて、わかりやすい文章で説明することがも求められます。
そのために縦書きと横書きを組み合わせるのですが、高等な技術を求められるため、このようなレイアウトを使いたいときはチラシをデザインするプロに相談するのが一番です。
縦書きには縦書きの良さがあり、横書きには横書きの良さがあります。縦書き横書きそれぞれの強みを理解し、適材適所を心がけて使い分けてください。少なくともチラシを作った本人が違和感を感じるような場合は縦横の使い方を間違っている可能性があります。
チラシを作成する目的は、チラシを手にしてもらい内容を理解して購入に結びつけることです。そのためには「わかりやすい」ことが大前提にしてください。縦書き横書きの選択も、どちらを選べば内容がきちんと伝わるのかを考えれて答えは見えてきます。