シール・ステッカーの素材の選び方

商品ラベルや屋外用ステッカーなど、シールは貼る場所や目的によって最適な素材、粘着力、作成方法が異なります。この記事では、素材ごとの特徴と用途に合わせた選び方、シールを作成する方法を解説します。

商品ラベルや屋外用ステッカーなど、シールは貼る場所や目的によって最適な素材、粘着力、作成方法が異なります。この記事では、素材ごとの特徴と用途に合わせた選び方、シールを作成する方法を解説します。
目次
シール・ステッカーは、以下4つの層で構成されます。
台紙(剥離紙): シール・ステッカーを乗せている剥がしやすい紙です。メーカーによっては色を選べることもあります。
のり(粘着剤): シール・ステッカーを下地に貼り付ける部分です。一般的な粘着タイプに加え、剥がしやすい「再剥離タイプ(微粘着・弱粘着)」や、下地が透けない「訂正のりタイプ」、剥がれにくい「強粘着タイプ」などがあります。
素材(印刷基材): シール・ステッカーのメインとなる材質です。紙やフィルムなど様々な種類があり、素材によって印刷の仕上がりや耐久性が変わります。
表面加工(ラミネート): シール・ステッカーの表面に施される保護フィルムです。「ラミネート」とも呼ばれ、ツヤタイプやマットタイプがあり、印刷面の保護や耐久性向上、見た目の質感調整に役立ちます。
シール・ステッカーの貼り付き具合は、「粘着剤(のり)」の種類によって大きく変わります。用途に応じて、粘着力の強さを基準に選びましょう。
短期間の使用や、貼り直しが必要なシーンでは、粘着力の弱いタイプが適しています。「再剥離」「微粘着」「弱粘着」といった表記が目印です。下地を傷めずにきれいに剥がせるため、イベント用ステッカーや仮ラベルにおすすめです。
屋外での使用や、長期間貼りたい用途には、強粘着タイプを選びましょう。バイクや自動車のステッカーなどには、耐候性のある素材と強粘着の組み合わせが効果的です。
少しざらついた感触で、鉛筆でも書き込みが可能です。(インクが乗った部分は、筆記性が無くなってしまいます)色がややくすんで表現され、落ち着いた風合いになります。
文字が多いデータや落ち着いた仕上がりの商品ラベルにおすすめです。
シールの作成方法には、家庭用プリンターを使う「自作」と、印刷会社に依頼する「印刷サービス」の2つがあります。
〈自作のメリットとデメリット〉
自作の場合、家庭用プリンターや市販のシール用紙を使って手軽に作成できます。
デザインを自由に調整でき、小ロットの制作に向いています。
一方で、家庭用プリンターでは発色や耐久性など、品質に限界があります。
カットが手作業になるため、大量生産にも不向きです。
〈印刷サービスのメリットとデメリット〉
印刷サービスを利用する場合、高品質なシールを大量に制作できます。
耐水性や耐久性を高めるラミネート加工なども可能で、プロフェッショナルな仕上がりを求める場合に最適です。
一方で、小ロットではコストが割高になることや、納期がかかることがデメリットとして挙げられます。
〈どちらを選ぶべきか?〉
少量で手軽に作りたい場合は、自作が適しています。
大量生産・高品質を求める場合は、印刷サービスの利用が適しています。
特に、企業のプロモーション用や商品ラベルなど、高いクオリティや耐久性が求められる場合は、印刷サービスを活用するとよいでしょう。
シール・ステッカーを自作する場合、シール用紙を用意する必要があります。
シール用紙は文房具店や家電量販店のほか、オンラインショップでも手軽に購入できます。購入先によって品揃えや価格が異なるため、用途に応じて選びましょう。
文房具店や家電量販店などの実店舗では、一般的なシール用紙が購入できます。メリットは、実物を手に取って、紙の質感やサイズを選べることです。
Amazonや楽天市場などのオンラインショップでは、さまざまな種類のシール用紙が販売されています。用途に合わせた検索がしやすく、大量購入時に割引があることも魅力です。また、専門店のオンラインストアでは、より幅広い種類のシール用紙を取り扱っています。
印刷会社のサイトでは、オリジナルのシール用紙をカスタマイズできるサービスがある場合もあります。用途に応じたカットや加工が可能なため、より専門的なシール作成を検討している場合に適しています。
購入の際は、紙の種類やサイズ、対応プリンターの種類などをしっかり確認しましょう。
シール印刷サービスを利用する場合、基本的な流れと費用の目安を解説します。
1.デザイン作成
IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトを使用してデータを作成します。多くの印刷サービスで提供している指定のテンプレートを利用するとスムーズです。
2.印刷サービスを選び、比較する
シールの仕様(シールの種類や印刷枚数など)を決めたら、各社の印刷サービスの価格や内容を調べ、比較しましょう。公式サイトや口コミを参考にすると、コストや品質を把握しやすくなります。
3.データ入稿
完成したデザインデータを印刷サービスに送ります。入稿後、印刷サービス側でデータをチェックし、問題がなければ印刷工程に進みます。
4.印刷・加工
印刷が終わったら、カットやラミネート加工などの仕上げ工程が行われます。加工の有無によって、仕上がりの質感や耐久性が変わります。
5.納品
完成したシールが発送されます。納期はサービスによって異なりますが、通常2~5日程度です。
印刷コストは、下記の要因で変動します。
〈印刷コストが変動するおもな要因〉
・サイズ
・枚数
・素材
・加工方法(ラミネートなどの後加工を施す場合は追加費用が発生)
・仕上げの種類
・納期までの日数 など
納期を短縮する「特急対応オプション」を提供している印刷サービスもあります。急ぎの注文が必要な場合は事前に確認しておくと安心です。
注文前に各項目を確認し、想定外のコストが発生しないようにしましょう。
表面に光沢が出るグロス系のコート剤(40g/m2程度)を塗布した強い光沢のある紙です。コート紙より厚手で、よりツヤを必要とする印刷物に適しています。色彩が鮮やかに表現されるため、写真・イラスト中心のデザインによく用いられます。
シール系の印刷では最もポピュラーな紙です。
表面に鏡のような光沢紙よりも強い光沢があるため、より色が鮮やかに映える紙です。発色を際立たせたい場合におすすめです。
金・銀ホイルは高級感があり目を惹くため、ブランドのロゴシールなどに使用されています。
ホログラムは、角度によって色が変わるフィルム素材です。レンズ、ノイズ、レインボー、クリスタルなど多様な種類があり、視覚的なインパクトを強めたい限定商品などに適しています。
表面が少しざらざらした紙で、強度を保つために漂白処理をしていません。長い繊維が絡み合っているため破れにくいです。
ナチュラルな風合いを活かした商品ラベルとしてや、同系色のダンボールや茶封筒への貼付用として使用されています。
羽のような特殊繊維が入っており、独特な雰囲気を醸し出します。
和のテイストの表現におすすめで、酒ボトルのラベルやパッケージラベルで多く使用されています。
水に強く破れにくいマット調の合成紙です。屋内の水回りでの使用に向いていますが、短期間であれば屋外での利用にも適しています。
※耐水性・耐久性については使用環境によって異なるため事前のテストをお願いします。
半硬質の白色塩化ビニルフィルム(PVC)をベース基材とした素材です。
バイクや自動車用ステッカーによく用いられますが、エンジン付近など高温になる場所への使用には対応しておりません。コスレに弱いためラミネート加工推奨です。
透明ポリエステルフィルム(PET)をベース基材とした丈夫で水に強い透明の素材です。
透明な容器を使った商品ラベルや窓ガラスへの貼り付けなどで多く使用されています。
素材が少し硬いのが特徴で、曲面への貼り付けはやや不向きです。
布地の上から貼ることができる素材です。特有の光沢感がある布素材で、服に貼ってものり残りがしにくいです。イベントのスタッフパスなどで多く使用されています。他の素材に比べて印刷の仕上がりが少し薄くなりやすい素材です。
いかがでしたか?色々な場所でよく見かけるシールですが、実はこんなにも種類があるんです。価格の違いはありますが、どの素材が良いという訳ではなく、目的によって選ぶべき用紙が異なります。安い用紙をお探しであれば普通紙や光沢紙、耐水性の高い用紙であればユポやPET、個性的な雰囲気を出したい時は和紙やクラフト紙がオススメです。ぜひ、用途に合わせてピッタリの用紙を選んでみて下さい。