屋内・屋外用のポスターの違いって何?
「ポスター」という言葉から、皆さんは何を想像しますか。
国政選挙や地方選挙で街角に掲示される選挙ポスターをイメージする方もいれば、絵画に匹敵するような芸術的なポスター、街や乗り物の中の広告ポスター、身近なところで、学校や職場に掲示される案内情報など様々な場所でポスターを見ることができます。
選挙ポスターは屋外に展示されますが、屋内に展示されるポスターとの違いはどこにあるのでしょうか、今回は屋内ポスター、屋外ポスターの違いについて、説明します。
「ポスター」という言葉から、皆さんは何を想像しますか。
国政選挙や地方選挙で街角に掲示される選挙ポスターをイメージする方もいれば、絵画に匹敵するような芸術的なポスター、街や乗り物の中の広告ポスター、身近なところで、学校や職場に掲示される案内情報など様々な場所でポスターを見ることができます。
選挙ポスターは屋外に展示されますが、屋内に展示されるポスターとの違いはどこにあるのでしょうか、今回は屋内ポスター、屋外ポスターの違いについて、説明します。
屋外と屋内の環境条件の違いは、屋外の場合、直射日光や紫外線、雨や雪、風などの様々な気候要因にさらされることです。普通のインキだと、真夏の強い紫外線にあたると、1・2週間で色落ちすることがあります。
特にマゼンタ(赤色)やイエロー(黄色)のインキは色飛びの起こりやすい色です。一般に最も良く利用されているオフセット印刷は、もともと、表面皮膜が薄いので、天候条件に大いに影響を受けます。
このような天候条件に対応するために、インキ各社は「耐光性インキ」を開発し、対応しています。もちろん、耐光性インキも長期間になれば、必ず変化は起こります。
また、色調に関しても、耐光性インキは、イエローが強いので、全体的にくすんでしまい、通常のインキに比べて、発色が悪いのと、価格が高いのですが、長期間の退色をさけるためには、対光インキの利用が不可欠です。
次に課題となるのが、雨や風です。特に上質紙などの一般の紙は水分に弱く、1回の雨でも、使い物にならないことがあります。屋外の場合は、耐水性の紙を利用します。
耐水性の用紙としては、石油由来の合成紙が利用されます。代表的な合成紙としては「ユポ」が良く知られています。ユポはポリプロピレンで生成されているため、水分による強度低下や変質のない用紙です。
切れ目などを入れれば、用紙のように破くこともできます。また、鉛筆や油性ペンも使えますが、水性ペンや、家庭用のプリンターなどには対応していません。
合成紙以外では、通常の用紙に印刷して、ラミネート加工をすることで、耐水性を確保することもできます。ただ、鋲を利用したり、テープで固定しにくくなったり、重くなることで扱いが難しくなります。もちろん、ケースに収めて展示することもできますが、コストもかかります。
ポスターは、大量複製という印刷の特長を活かして、広告や情報提供のツールとして活用されてきました。
最近は、多品種少量に対応したオンデマンド印刷機が普及して、たった1枚だけのポスターも制作できるようになりました。
オンデマンド印刷機として、家庭用にはインクジェット印刷機が広く普及していますが、業務用では、トナー方式、インクジェット方式など多様な機種が普及しています。
オンデマンド印刷機の場合、メーカーによって、インキも異なった仕様になっているので、インキの耐水性、対光性については、その都度確認してください。
家庭用などのプリンターに使われている水性のインキは水に弱く、屋外の利用には不適です。屋外用には、溶剤タイプなどのインキが用意されています。
屋内用ポスターについては、耐水、耐光などの制約はないので、多様な用紙の中から選べます。
気にするとしたら、照明などとの関係で、テカらないよう、アート紙を避けたり、掲示場所によって、用紙の種類やサイズを選定することです。
今回は屋外用ポスターの注意点を中心に解説しました。最近ではデジタルサイネージなども利用されるようになってきましたが、紙のポスターには、紙の持つ質感や、扱いやすさ、そしてコスト面のメリットがあります。
ポスターは単に情報を提供するだけでなく、リビングの装飾になることや、収集の対象になることもあります。ポスターに新しい役割を見つけてみてはいかがでしょう。