展示パネルに適切な文字の大きさは?
展示パネルに最適な文字の大きさは、パネルが見られる状況と距離によって整理することができます。単純に言えば、お客様が移動しながら見る場合は当然ながら、大きな文字にした方が視認性も高くなります。また、パネルを見る距離が遠ければ、当然大きな文字が必要になります。
今回は展示パネルのクリエイティブについて考えてみたいと思います。
展示パネルに最適な文字の大きさは、パネルが見られる状況と距離によって整理することができます。単純に言えば、お客様が移動しながら見る場合は当然ながら、大きな文字にした方が視認性も高くなります。また、パネルを見る距離が遠ければ、当然大きな文字が必要になります。
今回は展示パネルのクリエイティブについて考えてみたいと思います。
文字の大きさは、ポイントや級で表現されます。級は写真植字という今では使われない文字制作方式から派生したもので、日本独自のフォントサイズを示す指標です。それに対して、ポイントは、コンピュータなどのデジタルソフトなどで利用されています。
最近は、印刷物の制作にコンピュータが使用されることが多いので、ここではポイントを中心に説明したいと思います。なお、写真植字以前の活字の場合、号という単位が使われていました。
看板などでも共通ですが、屋外は夜になれば文字は見にくくなります。また、天候条件や、日差しの方向や強さでも、見やすさは異なってきます。文字の大きさだけでなく、文字と背景の明度差や見やすい色を使うなどの工夫が必要です。
最近は、障がい者、健常者どちらにも使い勝手の良い商品開発や印刷物の制作に向きて「ユニバーサルデザイン」という考え方が普及しています。
通常の書類であれば、最低8ポイント(推奨は12ポイント)以上の文字を利用することを薦めていますが、展示パネルでは、より大きな文字の利用が必要です。
ユニバーサルデザインの観点からは、文字の大きさだけでなく、書体、文字の字間、行間、余白、表現の仕方、色使いなどにも配慮したアプローチがなされています。横浜市などの地方自治体でも文字表示のガイドラインを出していますので、参考にしてください。
国土交通省のガイドラインでは、視力0.5の人が一定距離から見る場合の推奨文字サイズが設定されており、5mの近距離では、和文の文字では、高さ20mm以上の文字を推奨しています。ポイントに直すと57ポイントで、タイトルや強調したい場合には、100ポイントを超す文字が使われます。
文字の大きさだけでなく、文字の形がわかりやすく、読み間違いのないフォントも開発されています。日本の文字フォントのリーダーであるモリサワは、UD書体として「UD新ゴ」をはじめ、明朝体、教科書体など4種24書体を開発しています。
その他にもパナソニックとイワタが共同開発した「イワタUD」フォント、大日本スクリーン製造の「ヒラギノUDフォント」、モトヤの「モトヤユニバーサルデザインフォント」などがあります。利用の方法については各企業のサイトを確認してください。
展示パネルを設置する時には、人の流れ、動線を意識した展示パネルの設計が必要です。人の流れに沿って、伝えたい内容を順番に設定しないと、理解度が大きく違います。
人は、0.3秒間に15文字を認識すると言われています。展示会のように移動をしている場合には、認識文字数はもっと少ないでしょう。一般男女の歩幅は60cmから70cmですから、間口3mのブースを通過するのに4歩程度、時間にすればほんの2、3秒という短い時間です。
このような短い時間に、パネルを意識してもらい、内容を理解してもらうためには、文字数を絞って、端的な文言でまとめる必要があります。
展示パネルに最適な文字の大きさは、屋外、屋内、会場の明るさ、照明の有り無しなどによっても微妙に変化します。展示会によっては、展示会の全体のデザインを統一するために、文字フォントや大きさ、色彩を指定していることもあります。これらの情報を上手く活用して、展示パネルを制作しましょう。