見やすいIR資料とは?
ラクスルの冊子・カタログ印刷は様々な用途に利用されますが、資料として活用されるケースは非常に多いです。今回は資料の中でもIR資料に注目してみたいと思います。
ラクスルの冊子・カタログ印刷は様々な用途に利用されますが、資料として活用されるケースは非常に多いです。今回は資料の中でもIR資料に注目してみたいと思います。
IR資料は投資家だけが見るものではありません。得意先や地域住民、官公庁、銀行や消費者など全てのステークホルダー(利害関係者)が見る可能性があります。
全ての企業が、一定の書式と形式、基準を持って貸借対照表や損益計算書を作成しているので、数字をベースにして企業の比較も可能になります。
IR資料は、会計基準に基づいて作成されるので、以前は見にくい、読みにくいといった苦情も良く聞かれました。しかし、最近ではIRの重要性を認識し、見やすく、わかりやすい資料づくりに、各企業が努力しています。
最近の傾向は、各社ともビジュアルな資料作りを心がけている点だと思います。ビジュアル表現によって、会計や財務の専門家でなくとも、理解できる資料作りを進めています。
最近はIR資料がステークホルダーに対する、プレゼンテーション資料であることが自覚され、専門家でなくても、わかりやすい資料作りが進められるようになりました。特に、個人投資家などから資金調達を進めたい、インターネット関連企業のIR資料には、この傾向が強くなっています。
株主総会自体も、以前はいかに早く終了するかが競われたこともありましたが、最近は、株主に企業の中身を理解してもらうための、「株主総会ビジュアル化」が進んでいます。
具体的には、画像や映像を活用し、株主に視覚的に訴求することによって、理解度を高める。プロのナレーターなどを使い、聞きやすく、理解しやすい進行を行う。事前に画像や映像の収録を行い、株主総会の関係者の負担を軽減させるといった動きがあります。
ビジュアルに表現することは、ある意味では企業の論点、将来に向けた戦略などをシンプルに整理する必要があります。企業にとっても、株主にとっても好ましい動きと言えます。
わかりにくい資料から、わかりやすい資料への転換に「インフォグラフィックス」という手法も使われるようになりました。
インフォグラフィックスは情報を一目で理解させるための表現手法で、教育や科学的な情報、標識や子供向けの絵本などでも使われています。インフォグラフィックスの手法を活用することによって、今まで大量の文字情報を使わなければならなかった情報提供が、シンプルでわかりやすい資料に生まれ変わります。
CIやVIの概念は、1980年代米国のランドーアソシエーツなどが広め、今日の企業活動にとっても、ブランディングという形で、企業活動の中核のイメージ戦略として位置付けられています。
IR資料も企業のブランディング活動の一環として位置付けられ、企業全体の活動に統一性を図る必要があります。IR資料にも企業らしさが求められる時代になっているのです。
日本企業の国際化の中で、アニュアルレポートを発行する企業も増加しています。海外では会社案内的な資料はあまり使われず、アニュアルレポートが、会社案内的に利用されます。
アニュアルレポートも以前は、数字ばかりの資料という側面がありましたが、最近は、海外の投資家に向けて、わかりやすい資料作りに努力しています。最近では、数値情報に加えて、企業戦略ポリシーや、CSRレポートの要素を加えた、総合的な企業紹介のツールとして活用されています。
リーマンショック以降、世界の資本市場の正常化や、投資家保護など、健全な資本市場の育成に向けた活動が進められています。
IR資料も投資家を保護し、機関投資家と個人投資家の情報ギャップを極力シームレスにして行くために、より優しく、わかりやすい資料作りが進められています。