「客寄せ」の効果が期待できる3つの商品戦略とは?
集客の方法は、何もCMや広告、チラシだけではありません。商品の構成を工夫するだけでも、十分に集客のツールになるのです。では、顧客が「来店したい!」と思える商品構成とは、一体どういったものなのでしょうか。この記事では主に中小企業でよく用いられる3つの商品戦略についてご紹介します。
集客の方法は、何もCMや広告、チラシだけではありません。商品の構成を工夫するだけでも、十分に集客のツールになるのです。では、顧客が「来店したい!」と思える商品構成とは、一体どういったものなのでしょうか。この記事では主に中小企業でよく用いられる3つの商品戦略についてご紹介します。
ランチェスター戦略、と呼ばれる経営戦略があります。これは別名「弱者の戦略」と呼ばれる、新興企業や中小企業向けの戦略です。この戦略の基本のひとつに「資源を分散させず集中させる」というものがあり、この考えは企業の商品戦略にも十分に応用できます。もし、あなたが大手企業では無く規模の小さい企業の従業員であれば、商品の「品揃え」で勝負をしようとしてはいけません。それは大手の「強者の戦略」です。あなたがすべきは、徹底的に商品を絞り、資源を集中させることです。もっと簡単にいえば「この商品だけは大手に負けない」「◯◯といえばこの会社」言われるぐらいのものを自社で作り、中途半端な商品はすべて切り捨てるぐらいの覚悟が必要でしょう。品揃えで勝負しても、結局は体力(資本)のある大手相手に勝ち目はありません。自社が成長し、企業の段階が変われば話は変わるでしょうが、創業期などの場合は商品数は自信のあるものに絞り、そこにすべての資源を集中させましょう。商品を絞ることにより、材料費や作成にかかるコストも削減できるというメリットもあります。よく移動販売などで見かける「メロンパンだけの売っているパン屋」などは、その好例です。この戦略には「その商品で負けてしまえば後がない」というデメリットもありますが、中途半端に幅広く手を出す戦略よりも、生き残る可能性が高いことは歴史が証明しています。
経営において、すべての商品で利益を上げる必要はありません。「全体を通し、結果として利益が出ている状態」であれば良いのです。例えば、回転寿しのスシローの広告には「スシローのマグロはほぼ赤字」といった文言があります。多分、これは事実でしょう。では、なぜスシローはあれほど人気があり、急速な成長を遂げてこれたのでしょうか。答えは簡単で「他の商品で利益を上げているから」です。スシローは「赤字商品」を客寄せパンダ的に有効活用し、まずは来店してもらうことに成功しています。いくらマグロ好きの人といえど、マグロだけをずっと食べ続けるのは至難の技。一度来店さえしてしまえば、ついつい他の商品に手を出してしまう、というわけです。このように、あえて「赤字商品」をつくることにより、顧客の意識を引きつけ来店してもらい、そのあとについで買いを促し利益を出すのも代表的な商品戦略のひとつ。その商品だけでは利益がなくても、他の商品で採算を取ればいいのです。
商品構成において、忘れてはいけない大前提があります。それは「すべての顧客を満足させることはできない」ということです。例えば、10代の女子高生にとって価値のある商品が、70代の高齢者にとっても同じ価値のある可能性は低いでしょう。「どういった顧客を店側(企業側)は求めているのか」を商品構成からも明らかにする必要があるのです。これは、企業が顧客を「選ぶ」とも言えます。顧客に選んでもらう企業になるよう努めるのは、当然のことです。しかし、すべての顧客を満足させることができない以上「満足してもらえるであろう顧客を企業が選ぶ」という視点が非常に大事なのです。そのため、自社のターゲット層、そしてその顧客は何を求めているのかを考え抜いた商品構成を心がける必要があります。外観、そして店内に入って品揃えを見た瞬間に、「あっ、ここはこういう人たちをターゲットにしている所なんだ」と説明しなくても分かってもらえるのが理想の商品構成です。また、チラシなどに「30代男性限定」といった、具体的な性別を年代を盛り込むことにより「私たちはこうした顧客をを求めています」というアピールするのも一つの手段です。
企業の成長段階によって、とるべき商品戦略は異なります。今回の記事では、主に中小企業向けの商品戦略をご紹介しました。まず、やるべきは商品を「絞る」こと。あれもこれもと手を出しすぎてはいけません。「これだけは負けない」という商品づくりに注力しましょう。また、他にも「赤字商品」をうまく活用する方法も有効です。すべての商品で利益を出す必要はないことを、常に頭の片隅に置いておきましょう。そして、「顧客を選んだ商品の構成」は満足度やリピート率を上げるためには忘れてはいけません。ターゲット層を明確にし、そこにダイレクトに訴求する商品の構成であれば、自ずと顧客は来店してくれることでしょう。