会社案内に秘めたメッセージがブランディングの第一歩
「会社案内」は、コーポレートブランディングの基本メディアです。様々なステークホルダー(関係者)に対して、伝えたいことを凝縮したツールとして位置づけられます。
会社案内にはいろいろな評価があります。既存の顧客を中心にした営業にとっては、「そんなツールは必要ない」という意見もあるかもしれません。
しかし、はじめてのお客様や、業務を通じてお付き合いする関係者、株主、官公庁、周辺住民などに対して、広く活用できる広報ツールが会社案内です。
「会社案内」は、コーポレートブランディングの基本メディアです。様々なステークホルダー(関係者)に対して、伝えたいことを凝縮したツールとして位置づけられます。
会社案内にはいろいろな評価があります。既存の顧客を中心にした営業にとっては、「そんなツールは必要ない」という意見もあるかもしれません。
しかし、はじめてのお客様や、業務を通じてお付き合いする関係者、株主、官公庁、周辺住民などに対して、広く活用できる広報ツールが会社案内です。
様々な企業から素晴らしい会社案内が発行されています。最近では多くの会社がホームページも活用しているので、自社にあったモデルを探すのに苦労はしません。しかし、コンテンツやデザインを模倣することだけはやめてください。
ステークホルダーにとって一番知りたいのは、企業独自の理念や、基本的な価値観、行動規範であり、他社との違いが見えないような会社案内では、インパクトの感じられないものになってしまいます。
自社の考え方、生い立ち、他社に差別化できるような事業領域などをキャッチコピーなどを使い、わかりやすくアピールすることが肝心です。
2000年以降、連結決算で企業を評価するようになっています。最近では、自社が所属する企業グループの中の自社の立場を明確にすることが多くなっています。
冒頭で基本的な企業の考え方を明示した上で、自社の事業や商品を提示するのが、一般的です。
事業領域や商品を提示することで、読んだ人がどんなことをやっている会社なのかを理解することができます。できるだけ、写真やビジュアルな表現で提供しましょう。
企業規模によって、商品や事業の数が多い場合には、分野別に整理します。よくあるパターンは事業部別や部門別の分類・整理ですが、読者側から見てプロダクトアウトになるような場合は、顧客ニーズ別に整理することもできます。その方が組織改革などの変化には柔軟に対応することができます。
広報ツールとしては、細かい解説は、商品別のパンフレットやリーフレットにまかせて、会社案内では、全体的な事業内容を告知するという姿勢で良いと思います。
会社案内は一般的に最低でも1年、普通2~3年は、多少のリニューアルはあるものの、使うことが多いので、新製品や新事業で業容が変化しやすいようなビジネスの場合いは、変化に対応できるような内容で編集する必要があります。
営業に重点を置く場合には、自社の強みや差別化のポイント、自社のアピールポイントなどを明確にして編集しましょう。
最近は、企業の社会的な立場を明確にすることが多くなっています。従業員、顧客、取引先、仕入れ先、消費者、株主、地域社会や自治体などの利益関係者に向けて、具体的にどんな責任を果たし、活動をしているのかが見られるようになってきました。
法令順守の考え方や、環境課題、個人情報保護やボランティア活動など、企業として取り組む内容も増えています。
これらの活動を個別にCSRレポート等で報告する企業も増えてきましたが、中小企業の場合は、資金的にも余裕がないので、会社案内の中で活動をアピールし、事業の中で対応していく姿をアピールすることもできます。
会社案内は全社的なツールですから、企業の全ての人が活用する可能性があります。したがって、企業の事業所や代表者などの会社概要を網羅しておく必要があります。もちろん、窓口対応などを明確にして、問い合わせ先を明確にしておくことが大事です。
入社案内などを作る予定がない場合には、入社案内に変わるツールとして利用できるように編集することも可能です。
また、官公庁や新規取引先からの受託に際し、会社経歴書を求められることがありますので、会社経歴を入れ込むこともできます。会社の経歴は、企業の生い立ちや、強みをアピールする時のツールにもなります。
組織体制などを提示することもありますが、組織は時代とともに変化するので、要注意です。
ここまで述べてきたのは、オーソドックスな会社案内に入れる情報でした。しかし、時代はどんどん変化しています。思い切って、新しい発想で会社案内を制作するのも、企業の姿勢を表す一つの手法です。
米国では電子書籍から紙の書籍への回帰などがレポートされています。会社案内は、普遍的なコーポレート・ブランディング・ツールとして位置づけられていますが、新しい時代にあった新たな取り組みも期待されます。