想像を掻き立てるキャッチコピーに共通する3つの特徴

キャッチコピーには、それを見た人間の想像力を掻き立てるものと、そうでないものがあります。その違いは、一体どこにあるのでしょうか。この記事では、読み手の頭の中に鮮明なイメージを浮かび上がらせるキャッチコピーに共通する、3つの特徴を解説します。

キャッチコピーには、それを見た人間の想像力を掻き立てるものと、そうでないものがあります。その違いは、一体どこにあるのでしょうか。この記事では、読み手の頭の中に鮮明なイメージを浮かび上がらせるキャッチコピーに共通する、3つの特徴を解説します。

目を閉じて、頭の中に「レモンを食べている自分」を想像してみて下さい。その情景を具体的に想像できた人ほど、口の中に唾液が出てくるはずです。これは、味覚を刺激する言葉が脳に働きかけ、体に反応を起こさせた結果です。このように、五感を刺激する言葉をキャッチコピーに取り入れることは、読み手の想像力のスイッチを入れる上で非常に有効な手段になります。
ただし、五感を刺激する際は「相手がポジティブな状態を想像できる言葉」を選ぶ必要があります。たとえば、単に「刺激の強い味」と伝えると、人によっては「痛い」「辛すぎる」といったネガティブな感覚を想像させてしまいます。しかし、これを「弾けるような爽快感」と言い換えると、心地よい刺激を伴うポジティブなイメージへと変わります。
相手が知っている言葉を使いつつ、ネガティブな要素をポジティブな要素に変換することで、読み手は心地よい情景を頭に浮かべやすくなります。その「心地よさ」こそが、キャッチコピーが相手を動かす大きな理由になるのです。

想像力を掻き立てる上で、五感と並んで重要なのが「感情」です。人間には、それを目にしただけで感情を揺さぶられてしまう言葉が存在します。
たとえば、忠孝酒造の「もすこし飲んだら、好きってばれそう」というキャッチコピーがあります。これは、好きな人と一緒にお酒を飲んでいる情景を、感情をダイレクトに刺激する「好き」という言葉を用いて想像させています。人間は感情を刺激されると記憶に残りやすい特性を持っているため、キャッチコピーを覚えてもらうという面でも、この方法は非常に理にかなっています。
ただし、「愛してる」や「嫌い」といった強い感情表現は、使い方を誤ると不快感を与えてしまう恐れもあります。自身が狙う効果を出せるように、文脈に合わせて慎重な言葉選びを心がけましょう。

顧客は常に「自分にとってどんな良いことがあるのか」を考えています。言葉を通して、その商品を得た後の未来を「疑似体験」してもらうことがキャッチコピーの大きな役割です。
疑似体験を促すコツは、商品そのものではなく、その商品がもたらす「価値」に目を向けることです。たとえば、新幹線を単に「時速〇〇kmで走る速い乗り物」として紹介するのではなく、「(早く目的地に着けることで)大切な人と一緒に過ごす時間を増やすための手段」として描いてみましょう。物質的な機能ではなく、目に見えない感覚的な価値に視点を当てることで、読み手はより深く、自分自身の物語として想像を膨らませることができます。
また、この疑似体験を補強するためには、具体的なビジュアルも重要になります。ダイエット広告で成功者の写真がよく添えられているように、キャッチコピーと一緒にその未来を象徴する写真を掲載することで、疑似体験の効果はさらに大きくなるはずです。
なお、アイデアに行き詰まったときは「反対側」から見てみるのも一つの手です。たとえば、正義の味方が悪者を倒す物語を、あえて「倒された側の家族」の視点で描くことで、読み手にハッとさせるような新しい気づきと強烈な想像を与えることができます。
「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。」
これは2013年の新聞広告クリエイティブコンテストで最優秀賞を受賞した広告コピーです。当たり前だと思われている光景を逆側から捉え直すことは、既成概念を壊す強力なキャッチコピーを生むきっかけとなります。
見る者の想像力を掻き立てるキャッチコピーには、いくつかの共通点があります。
「五感」を刺激し、ポジティブな言葉で具体的な情景を描くようにしましょう。そして「感情」に訴えかけ、読み手の心と記憶に深く刻み込みます。最後は、商品そのものではなく、その先にある「価値」を提示して、未来の自分を疑似体験させてください。
これらの特徴を意識して使い分けることで、読み手の心にしっかりと届き、行動を促すようなキャッチコピーを作ることができるようになるでしょう。