縦綴じ(長辺綴じ)とは?メリット・デメリットと最適な印刷用途
本を作成する際に、印刷用紙の長辺を綴じる「縦綴じ」。一般の書籍や雑誌、カタログ、パンフレットなどがこの縦綴じで作られており、業界のスタンダードといって良いでしょう。
ここでは、縦綴じの特徴とメリット・デメリットについてご紹介します。
本を作成する際に、印刷用紙の長辺を綴じる「縦綴じ」。一般の書籍や雑誌、カタログ、パンフレットなどがこの縦綴じで作られており、業界のスタンダードといって良いでしょう。
ここでは、縦綴じの特徴とメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
印刷用紙の長辺を綴じる縦綴じは、一般的な書籍や雑誌をはじめ、パンフレットやカタログなど印刷物の多くが、このスタイルで作られています。ここでは、縦綴じの特徴を見ていきましょう。
本は、綴じる位置によって「右開き(表紙を表にしたときに右側が綴じられている形)」と「左開き」に分けられます。
縦綴じの場合、文字が縦組みでも横組みでも視線の移動が大きくならず、読みやすいというメリットがあります。そのため、文章主体の書籍に最適といえます。
「扱いやすさ」という面でも優れており、横綴じとは異なりページを広げても邪魔になりません。例えば文庫本であれば、片手で支えて読むこともできます。
また、縦綴じにすると、ページを開いたときの縦横比が黄金比に次ぐ美しさを持つ「白銀比(1:1+√2の比率)」に近くなるため、美しく見えるともいわれます。
ここでは、縦綴じのメリットとデメリットをご紹介します。自社で冊子を作る際の参考にしてください。
印刷用紙を縦に使う縦綴じは、縦組みの日本語表記に合ったスタイルです。前述したように、縦綴じは誌面が縦長になるので視線の移動が大きくならず、長文でも読みやすいというのが大きなメリットです。
ただ、読みやすさというのは個人の感覚により、環境や時代によっても変わる可能性があります。ウェブサイトやSNS、メールなどの文字は、一般的にはすべて横組みですので、中には縦組みそのものが「読みにくい」と感じる方もいるかもしれません。
文章の途中で、挿絵や表などの図版を入れたデザインにも対応しやすいのが縦綴じのメリットです。「見開きの片ページ全面に挿絵を入れる」「片ページの上半分、あるいは下半分に挿絵を入れる」といったやり方がありますが、縦綴じならいずれの場合でも収まりが良く、まとまって見えます。
縦綴じの苦手分野としては、写真やイラストをメインにする場合が挙げられます。縦綴じの場合は、横の長さが短くなりますので、写真やイラストなど横長の画像を掲載すると小さくなってしまいます。
仮に、写真やイラストを2ページにわたって(見開き)大きく掲載しても、横綴じと比較してインパクトは小さいでしょう。
縦綴じは広く使われているスタイルなので、見た目の差別化が図りにくいというのは確かです。そのため、パンフレットやカタログなど、他社と差別化したいタイプの印刷物には向いてない部分もあります。
縦綴じは、見た目の差別化が図りにくい部分もありますが、反対に安定感もあります。
会社案内や商品カタログなど、複数の資料を同じ判型、同じ綴じ方で作っておけば、営業用資料としてひとまとめにするのも容易です。見た目の印象ばかりにとらわれず、利便性を考慮して制作物を作るよう心掛けましょう。