「かっこいいデザイン」とは?
デザインを「かっこいい」と感じるかどうかは、人ぞれぞれの感性によります。ですので、どんなデザインがかっこいいのか、一律に定義付けすることはできません。しかし、多くの人々が「かっこいいね」と感じるデザインは、間違いなくあります。
個人の好みにかかわらず、かっこいいと思えるデザインの最大のポイントは、「商品・サービスやターゲット層にマッチしていること」です。例えば、若者向けの腕時計のパンフレットなら、シャープさや精密さを表現したクールでアクティブなデザインがぴったりでしょう。また、同じ腕時計でもシニア向けのブランドの物であれば、重厚さや落ち着き、高級感を感じさせるデザインが好まれるでしょう。子供服やベビー用品であれば、明るい優しさや柔らかさ、安心感を与えるデザインがマッチするはずです。
このように、かっこいいデザインや人目を惹き付けるデザインを目指すならば、まず「どんな商品・サービスをどのようなターゲット層に向けて訴求するのか」を明確にすることが、良いデザインへの第一歩となります。
かっこいいデザインにするためのさまざまな要素
商品・サービスとターゲット層を理解したら、次は具体的にどんなスタイルでその特徴やかっこよさを追求すべきかを考えてみましょう。
パンフレットといっても、そのスタイルやコンテンツ(記事内容)はさまざまです。大判の豪華な写真集のような物なのか、おもしろい記事を満載した雑誌のような内容なのか、あるいは携帯するのに便利なポケットサイズの小冊子なのか、どのようなスタイルで消費者に訴求するかによって体裁も変わってきます。
パンフレットの体裁は予算にもよりますから、訴求したいターゲットが確認できていれば、すぐに決められるでしょう。体裁が決まったら、載せるコンテンツとともに、具体的なデザイン要素を検討していきます。
パンフレットの制作では、以下のデザイン要素を押さえるとかっこいいデザインに仕上がります。
1 配色は同系色で絞り込む
デザインの初心者にとって、色の使い方というのは難しいものです。目立たせたいと思う部分に強い色を使いすぎて、全体に“うるさい”感じになり、バランスを崩してしまうのはよくある失敗です。それを避けるためには、同系色を使って色数を絞り込むことが有効です。
色にはそれぞれイメージがあります。例えば、黒やシルバーでまとめるとシャープでクールな機械的なイメージになりますし、赤や黄色でまとめると明るく活発なイメージ、淡いパステルカラーなら柔らかく優しいイメージを抱かせます。このように、まず商品・サービスのイメージに合った基本色を選び、その同系色を使い分けていくと、パンフレット全体にまとまりが出ます。
そして、本当に強調したい部分を強めの色使いにすると、締まりのあるかっこいい配色となります。また、その商品・サービスのシンボルカラーや企業のロゴカラーを使うと統一感が出て、ブランドイメージを統一することもできます。
なお、インターネット上には、色指定を検討するのに便利なカラーパレットが公開されています。色の組み合わせを考えるのに参考になりますので、こうしたサービスを利用するのも良いでしょう。
2 写真は枚数や使い方を工夫する
写真は、人の目を惹く要素です。しかし、使い方によっては逆効果にもなりかねませんので、注意が必要です。ピンボケや手ぶれのある写真などは論外としても、パンフレットの目的に合った写真であることが大前提です。その上で、どのように扱えば効果的なのかを考えましょう。
商品やサービスを象徴するようなインパクトの強い写真であれば、その1枚を大きく扱うのが有効です。誌面全体を半分に分け、上段に写真とキャッチコピーを入れて、記事などの文字情報は下段に収めると、全体がすっきりとまとまります。
なお、写真点数が多くなると読者が目移りしてしまい、散漫な印象になりがちです。掲載する写真は枚数をしぼり、メインとなる1枚を大きく扱って、ほかの写真は補足的に小さく配置すると、まとまった印象となります。反対に、多くの写真を小さく誌面に敷き詰めるように配置して、商品やサービスの豊富さや幅の広さをアピールするという方法もあります。
また、真面目で難しい内容のパンフレットの場合、写真よりもイラストやマンガを入れると気持ちがほぐれ、親しみやすくなります。
3 イメージに合ったフォントを選ぶ
かっこいいデザインを目指すなら、配色や写真だけでなく、フォント(書体)にもこだわりましょう。フォントの選び方ひとつで、誌面から受けるイメージは大きく変わってきます。
一般的に、キャッチコピーやリードなどは目立つ太めの書体を使い、記事本文やそれに付随する情報などは読みやすい細い書体を選びます。同じ誌面にあまりに多くの書体を使ってしまうと、まとまりのない印象になってしまいますので、ゴシック体や明朝体など基本となる書体を決め、見出しや本文で太さの違うものを選ぶようにすれば、デザインに統一感が出ます。
また、一番目立つキャッチコピーに、「ファンシー書体」とも呼ばれる、丸みを持った書体を使用することもあります。しかし、文字の意味よりもビジュアル的な印象が強くなってしまい、内容に合わなかったり読みづらくなったりすることもあるため、使用する際は注意しましょう。
4 大小・色味のメリハリをつける
見た目の大きさにメリハリをつけるというのも、かっこいいデザインには大切なポイントです。写真やイラスト、フォントなどに大小のメリハリがないと、全体的にのっぺりとした誌面になってしまい、読者の興味や関心が薄まってしまいます。
カタログのようなパンフレットであれば、誌面全体を区切ってグリッド状に構成したり、表組みにしたりという方法もあります。しかし、そうしたスタイルのパンフレットでないのなら、「その誌面で一番アピールしたいもの」に焦点をしぼり、ビジュアルに大小のメリハリをつけるようにしましょう。
配色についても同じです。強調色を使いすぎると、かえって乱雑な見た目になりがちです。「ここだけは」というところにしぼって強調色を使うようにすると、全体が引き締まったかっこいいデザインになります。
5 余白を効果的に使う
デザインに慣れないうちは、誌面全体にいろいろな要素を詰め込みたくなってしまうものです。しかし、かっこいいデザインで重要なのは、余白(スペース)の使い方です。
余白のない誌面は、いろいろな要素をきっちりと収めることはできますが、どうしても窮屈に見えてしまいます。文章も行間が狭すぎると、読みづらくなってしまいますし、それ以前に、読者に「窮屈な印象で読む気がしない」という心理も生じます。
余白は、注目させたい要素に読者の視線を誘導したり、各要素のバランスを整えたりするなど、重要な役割を持っています。あえて余白を設けることに「もったいない」という抵抗感を持つことがあるかもしれませんが、上手に使えるようになれば、効果的でかっこいいデザインのパンフレットに仕上がります。
無料のテンプレートで誰でもデザインが作れる!
かっこいいパンフレットを作りたいけど、デザイナーとの打ち合わせや依頼で、時間やコストをかけたくない。そんな場合は、無料で使えるデザインのテンプレートを利用するという方法もあります。
ラクスルでは、チラシやポスター、パンフレットなど、さまざまな印刷物をブラウザー上でデザインできる「オンラインデザイン」というサービスを提供しています。プロのデザイナーが作成したテンプレートのほか、写真やイラストの素材も無料で使うことができ、入稿まで行うことができます。
このサービスを使えば、外部との打ち合わせは不要で、作成時間は最小限、しかもオンラインデザインの素材を使ってしまえばデータ作成の費用は0円です。実に効率良く、高品質なデザインに仕上げることができます。
●まとめ● 「手に取ってもらえるパンフレット」を早く安く作るには
デザインを作ることは、素人には難しいものです。デザインの正しい知識や理論、多くの経験とテクニックを持つプロだからこそできる仕事というものがありますので、富裕層向けの高額な商品・サービスであれば、パンフレットやカタログなどは制作会社に外注するのが安心です。
しかし、制作に時間をかけられなかったり、できるだけコストを抑えたかったりする場合もあるでしょう。そんなときは、無料でデザインできるテンプレートを活用して、早く安く仕上げることができます。スケジュールや予算、制作物のスタイルに合わせて、賢く使い分けるのもおすすめです。