メンズ専門サロン「FADE&LINE」を2年間で16店舗に拡大!
今、全国で60店舗のサロンを運営しています。美容師になったのは2007年ですが、実はその頃、上下関係が厳しいこの業界で経営者になろうとは思いませんでした。2012年に美容室を全国展開するAgu.グループに入ると、そこは上下関係がない新しい世界。ここでなら独立を目指せると思い、フランチャイズとしてBELLTREEを設立したのが2014年、27歳のときです。
店舗を拡大するうちに私も30代になり、一緒に働くスタイリストたちも年齢を重ねていくのが気になるようになりました。当時も今も、サロンの集客は一般的にSNSや予約サイトが主流です。そこでは20代の男女が広告塔になっているのに、店に行くとイメージの違う40代、50代のベテラン美容師がいたりする。するとお客さまのなかでギャップが生まれるし、彼らも働きにくくなってしまいます。
技術も接客も十分な力を持っているスタイリストたちが、思う存分、長く活躍できるサロンをつくりたい! そんな想いから新たに立ち上げたブランドが、メンズ専門サロン「FADE&LINE」です。街のアイコンになる路面店で、シックな内装。これまでのサロンにはない世界観をつくり上げ、2020年2月に1店舗目をオープンしました。現在、全国で16店舗を展開しています。
低コストで近隣にアプローチでき、「発見のきっかけ」になる!
サロン業界はネットなどの広告宣伝費が高く、売り上げの15%ほどを占めています。初期投資は、20~30%になることもありますね。それまでのブランドでも同じようにコストをかけて、費用対効果もあったのですが、「FADE&LINE」は街に根差していく“令和版バーバー”として、違う方法での集客をしようと決めました。
そこで始めたのが、ラクスルのポスティングです。それまでもチラシ印刷などで利用していましたが、ポスティングをするのは初めてでした。
ネットの広告費は思い切ってガツンと下げ、近隣の方へのポスティング費用に1回10万円。それをオープン前、オープン直後、半年後などに行うようにしました。これまで20回くらいの利用なので、総コストを考えると200万くらいですね。それで売り上げ増につながっているのはすごいと思います。
チラシは直接的な効果というより、あくまでもインプレッション(視認された回数)、「発見のきっかけ」です。同じデザインのポスターもラクスルでつくり、店頭に掲示しています。街を歩く人がそれを見たときに、「そういえば、どこかで見たな」と思って検索してもらえればいいと考えています。
デザインは、「おしゃれとわかりやすさ」のぎりぎりを攻める
インプレッションを上げるために、チラシのデザインにはこだわっています。最初はラクスルのテンプレートも使っていたのですが、「FADE&LINE」独自の世界観を出すためにはやはりオリジナルにする必要がありました。基本は私がスマホで手書きしてイメージを伝え、イラストレーターの友人に仕上げてもらってPDF化しています。
ポイントは、「その街にないデザイン」です。出店を決めるときには実際に現地へ行っているので、街を歩きながら、そこにはない色やイメージをカタチにするようにしています。
あとは、おしゃれとわかりやすさのぎりぎりを攻めるようにしていますね。以前、スタッフに任せたときには抽象的になりすぎることがありました。街の美容室の看板でも、ロゴが入っているだけで何のお店かわからないところがありますよね。そうはならないよう、値段をしっかり入れてわかりやすく、なおかつ世界観はちゃんと伝える、というところを目指しています。
ブランドを立ち上げるときに、刈り上げからトップに向かって濃くなる「フェードカット」がホットワードになると思って店名を決めました。非常に高い技術が必要なカットを提供できるサロンとして、印象付けるのが狙いです。検索すればすぐに出てくる他にはない名前にしたので、QRコードなどがなくてもサイトに誘導できています。
直感的に操作できるインターフェイス。再注文もカンタン!
ラクスルを初めて利用したのが2016年で、それからずっとリピートしています。インターフェイスの使いやすさが一番の理由です。直感的に使えないもの以外は、選びたくない。使いにくさはストレスになるし、センスを感じなくなってしまうんですよね。
これまで、他のサービスと比較したこともありません。各社の見積もりを取って安いほうを選ぶ人も多いと思うんですが、私は何よりも「納得感」が大事だと思っています。
私の場合、費用を10万円と決めている以外はあまり気にしていません。地図で店舗の近くのエリアを選んで、あとは予算通りになるように部数などを操作するだけです。本当に簡単で、特にスマホ世代の人にはすごくわかりやすいインターフェイスなんじゃないかなと思います。
ポスターやシールも、ラクスルで注文しています。他社を使わずにラクスルだけを利用するメリットは、再注文のしやすさです。私のなかでの仕事論ということでもないのですが、依頼されたことは早くやりたいと思っているんですね。なので、スタッフと話していてチラシが必要だというときに、その場で「じゃあ今、発注するね」と言えるのがいいんです。
直感的に使えて、再注文もすぐできる。この便利さを考えると、やっぱりこれからもラクスルだなと思います。
今後はノベルティにも力を入れ、ファンを増やしてコミュニティに
「FADE&LINE」は、その街の“イケてる古着屋さん”のような感覚で、ファンを増やしてコミュニティ化していきたいと考えています。もともと、街の床屋さんというのはそういうところだったと思うんです。
ラクスルで注文しているシールは、そのきっかけになればと思っているもののひとつです。お客さまのスマホに入れてもらったりして、「こんな店が近所にあるんだよね」という会話につながってくれたら嬉しい。それも、インプレッションですよね。とにかく、発見のきっかけになればと思います。
ファンを増やしていくためには、ノベルティなどにも力を入れていきたいです。そのジャンルも、ラクスルは強いですよね。充電器や物販のバッグなどから始めてみたいと思っています。
ただし、気を付けていることがあります。「FADE&LINE」は世界観が特長のバーバーなので、仲のいい古着屋さんやアパレル関係の方も多いんです。なので、ノベルティをつくるときにアパレル系には踏み込まないようにしたいですね。クリエイター同士の聖域を大切に考える。「FADE&LINE」は、そういうブランドでありたいと思っています。
在宅時間が長い今だからこそ、費用対効果を出しやすい!
まさにコロナ禍のなかでスタートした「FADE&LINE」ですが、ポスティングはこんなときだからこそ、費用対効果が出しやすい手法だと実感しています。今まではポストのなかのチラシを気にも留めていなかった人も、在宅時間が長くなって、チェックする機会が増えていますね。ポスティングは、新しい魅力を持った手法だといえると思います。
ですので、ラクスルのサービスを検討している方にはぜひおすすめしたいです。同じ美容業界の方にも、ポスティングなどの集客方法や、「FADE&LINE」が2年間で16店舗にまで拡大した理由などを隠すつもりは全くありません。
私は、大きく立ち上げて初月で損益分岐点を超えました!という華やかなビジネスよりも、「FADE&LINE」のように地域と一緒にじっくり育っていくサービスのほうが、結果的に息の長い事業になると思っています。
今までもこれからも、私の一番のお客さまはスタイリストです。彼らがベストな状態だからこそ、質の高いサービスを提供できると考えています。競合が増えるほど私たちもブラッシュアップできますから、こんなふうにラクスルマガジンで発信することで同じようなビジネスモデルの店が増えてくれたら嬉しいですね。