版の種類別印刷方法5つ|印刷をするために必要な料金まで解説
印刷の方法には、5つの種類があります。種類によって用途が変わってくるため、業者に注文する際は注意が必要です。そこでこの記事では、種類の解説と版代の料金相場まで解説します。印刷版についてイメージがわかない方は、ぜひ参考にしてみてください。
印刷の方法には、5つの種類があります。種類によって用途が変わってくるため、業者に注文する際は注意が必要です。そこでこの記事では、種類の解説と版代の料金相場まで解説します。印刷版についてイメージがわかない方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
印刷版とは、印刷物を作るためにデザインされた部品のことです。例えば、スタンプを思い浮かべてみてください。
スタンプを押す場合、インクを付けて紙などに転写します。スタンプは一度型取りさえしてしまえば、同じデザインのものを何個も複製できます。印刷版は、このスタンプと同じものだと考えてよいです。
印刷版に文字やイラストを書き込んでいくと、ほかのものに転写できるようになります。ちなみに印刷版の所有権は印刷会社にあり、データなどは印刷版の作成を依頼した側のものになることを覚えておいてください。
ここからは、代表的な印刷方式5種類を解説します。スタンプのように版から台紙に転写するようにと思われがちですが、実は違います。
・平版印刷
・凹版印刷
・凸版印刷
・孔版印刷
・無版印刷
以上の印刷方法を詳しく解説します。用途によって使う方法が変わってくるため、以下で見ていきましょう。自分がどんなものに印刷したいのかを考えながら見てみてください。
1つ目の印刷方法は、平板印刷です。平版印刷は平らな版、水、油性インク、ブランケット胴を使って印刷していきます。版には親油性の高い樹脂で線画を施しておき、その後は以下の手順で印刷していくのです。
・版に水を付ける
・版にインキを付ける
・ブランケット胴に版を付ける
・ブランケット胴から台紙に印刷する
版全体に水が付いているため、版は油性インクを弾こうとします。そこで樹脂の親油性の高さを利用して線画部分にインクを吸着させるのです。この手法によって線画がキレイに転写されます。インクを一度転写してから再度転写するため、別名オフセット印刷と呼ばれる印刷方法です。
この方法はカタログや新聞、金属缶などの印刷に用いられています。
2つ目の印刷方法は、凹版印刷です。凹版印刷にはグラビア方式と彫刻凹版とがあり、仕組みはどちらも同じで凹凸が付いている版を使って印刷します。凹んでいる部分にインクを入れ、凸状の部分にはインクを付けないことで転写できる仕組みです。
以下の手順で印刷していきます。
・凹版にインクを入れる
・余分なインクをドクターで取り除く
・台紙に押し付けて転写する
ドクターとは、余分なインクを落とす装置のことです。凹版は、溝の深さによって色の濃淡を鮮やかに表現できるものであるため、出版物や包装の印刷、フレキシブルパッケージなどにこの方法が用いられています。
3つ目の印刷方法は、凸版印刷です。凸版印刷は、凸部分を用意した版にインクをつけて印刷します。印刷物を拡大すると、線画の輪郭部分が濃くなっているのが特徴です。
以下の手順で転写していきます。
・インキローラーで凸部分にインクを付ける
・台紙に凸部分をつけて転写させる
上記の方法が基本ですが、例外的にはブランケットに転写したあとで台紙に印刷する方法もあるようです。シールや缶の印刷に多く使われます。
フレキシブルな樹脂を使ったフレキソ印刷は、凸版の一種です。これはダンボールや紙袋への印刷に活用されています。
4つ目の印刷方法は、孔版印刷です。孔版印刷には謄写印刷とスクリーン印刷があり、現在はスクリーン印刷が主流になっています。穴の空いたスクリーンを使用し、インクをスクリーン越しにつけることでデザインを転写する仕組みです。
以下の流れで印刷していきます。
・判をスクリーン枠にセットする
・スクリーンの下に台紙をセットする
・インクを一番上にたらしてスキージで伸ばす
・穴からインクが出たところで転写する
スキージとは、インクを伸ばすためのヘラのことです。孔版印刷は、細かい面や曲がった面にも印刷できる特徴があります。その特徴を利用してプラスチック容器やガラス容器、交通標識、ビニール製品などに使われることが多いです。
5つ目は、無版印刷です。無版印刷とは、上記の印刷に使われる版がない印刷方法で、データを直接プリンターに送って印刷します。主流としては、電子写真方式とインクジェット方式です。
電子写真方式で使用する印刷機には、オフィスでよく使われているレーザープリンターや複写機が挙げられます。
インキジェット方式は、プリントヘッドの小さい孔からインキを噴出させて印刷させる方法です。噴射口に印刷物をかなり近づけて印刷しなければなりません。
最近ではバリアブル印刷も出てきており、データを連続的に入れ替えていくことで、異なるデザインを印刷させる技術もあります。今後注目度が上がっていく印刷方法といえるでしょう。
版代とは、版を作るためにかかる費用のことを指します。3,000〜30,000円程度がこの版代の相場です。使う色の数によって必要な版数が変わります。
・1色印刷:版1枚
・3色印刷:版3枚
・5色印刷:版5枚
使う色の数だけ必要になるため、注意が必要です。版は一定期間保管してもらえるため、保管されている間は印刷代だけを要します。
「ラクスル」に依頼するようにデータを送って印刷してもらう場合には、版代が必要ありません。なぜならば、デザインデータを送付するとそのまま印刷してもらえるためです。よって、版代が必要ない分だけリーズナブルに仕上げられます。
現在では、版を用意して印刷する方式よりも無版印刷が主流です。料金が気になる方は、ネット印刷も検討してみましょう。
印刷するために必要な費用は、用途や紙のサイズなどで変わります。費用が決まる要素は以下の8つです。
・紙の大きさ:大きいほど高い
・紙の厚さ:厚いほど高い
・紙の種類:特殊紙だと高い
・色数:色数が多いと高い
・印刷面:両面のほうが高い
・印刷枚数:少量のほうが高い
・加工:ありだと高い
・納期:短いと高い
納期や印刷物などイメージしながら、費用がどのくらいかかるのかを見極めていきましょう。