ポスターに適した紙の種類と厚さのヒント
ポスターの起源は、古くギリシャ・ローマ時代、技術的にはルネッサンス以降の活版印刷の出現、そして、広告メディアとしては、パリの万国博や江戸時代の引き札が原点といわれています。
ポスターによく利用される紙は、大きく分けて、アート紙、コート誌、マット紙の3種類です。もちろん、これ以外にも特殊な紙を使うこともありますが、今回は、3つの紙を中心に説明します。
ポスターの起源は、古くギリシャ・ローマ時代、技術的にはルネッサンス以降の活版印刷の出現、そして、広告メディアとしては、パリの万国博や江戸時代の引き札が原点といわれています。
ポスターによく利用される紙は、大きく分けて、アート紙、コート誌、マット紙の3種類です。もちろん、これ以外にも特殊な紙を使うこともありますが、今回は、3つの紙を中心に説明します。
目次
一般に、印刷用紙は塗工紙と非塗工紙に分類され、塗工紙の代表的なものがアート紙とコート紙になります。
アート紙は上質紙をベースに、グロス系の塗料を塗布した用紙です。表面が円滑で、印刷再現性も高く、写真栄えのする厚紙系の用紙です。
少し光りすぎるので、屋外での利用にはあまり適していないのと、価格が高いので、大量に制作されるポスターにはあまり利用されません。
家庭用のインクジェットプリンター用に最適化された用紙は光沢紙と呼ばれ、写真などの印刷用紙として利用されています。
コート紙は今最も使われている紙かもしれません。選挙ポスターによく利用されますので、見慣れていると思います。
コート紙はアート紙の塗工量の半分位ですが、光沢のある紙質が、写真やカラー表現には適しています。現代の広告には写真がつきものですから、ポスター用紙として、よく使われます。
コート紙は、水の浸透もある程度防げるので、直接雨が降り注がない場所ならば、屋外での利用も可能です。コート紙には、ポスターによく利用される「上質コート紙」と、「中質コート紙」、「軽質コート紙」などがあります。
コート紙のつやを抑えたものが、マットコート紙です。コート紙に比べて、つるつる感が少ないので、触っても指紋が残るようなことはありません。マットコート紙はインクのにじみを抑え、ボリューム感を出したい時に利用されます。
落ち着いたイメージを表現するには、マットコート紙がおすすめです。光沢が抑えられているので、目にもやさしく、写真集や美術書などにも採用されています。マットコート紙もより、さらに、落ち着いた用紙としてマット紙があります。水彩画などが使われたデザインにはぴったりかもしれません。
用紙の呼び方はメーカーによっても異なるので、詳しくは印刷会社などに問い合わせてください。マット系の用紙は、鉛筆やボールペンなどで、記入することができるのも特徴です。
上記3種類の用紙がポスターにはよく使われていますが、非塗工紙である上質紙も使われることがあります。
上質紙は古紙を含まず、純粋にパルプ原料から作られた用紙です。紙の表面はコーティングされていないので、写真再現などを求めず、イラストや文字中心であれば、上質紙を使うことができます。
欠点は耐水性がなく、湿気などに弱い点ですが、書き込みなどには適しています。
合成紙は石油由来の原料からできた紙で、プラスティックフイルムと紙の良いところを活かした紙です。
強度と耐水性を持ち、屋外に掲示するポスターには最適です。紙をベースにした耐水紙も同様に屋外ポスターなどに利用されます。
紙の厚さはkgで表現され、坪量、連量と読んでいます。印刷用紙を原紙サイズ(四六版など)で1000枚あわせた時の重量を使います。基本的には重量が重いほど、厚い紙になります。
用紙は屋外に掲示する場合の雨、風への対応や、耐久性、再現性などを考慮して選ぶことになります。一般的なコピー用紙が70kg、チラシやカタログ、フライヤーには90kgがよく利用されます。
一般的に、ポスターに利用されるのは、110kgや135kg以上の厚手の紙で、選挙ポスターには135キロの用紙がよく使われています。同じ重さでもコート紙に比べて、上質紙は少し厚めになります。