ポスターの紙の種類、厚さの選び方

ポスターは、広告や告知、展示会、アート作品など多彩なシーンで活用される表現手段です。その印象や効果を大きく左右するのが「用紙選び」と「厚さ選び」です。写真を鮮やかに見せたいのか、文字を読みやすくしたいのか、屋外に長期間掲示するのか――目的に応じた最適な紙を選ぶことが、ポスターの完成度を決めます。本記事では、代表的な紙の種類や厚さの基準、屋内・屋外での使い分け、用途別のおすすめを整理し、ポスター印刷に必要な知識を網羅的に解説します。

ポスターは、広告や告知、展示会、アート作品など多彩なシーンで活用される表現手段です。その印象や効果を大きく左右するのが「用紙選び」と「厚さ選び」です。写真を鮮やかに見せたいのか、文字を読みやすくしたいのか、屋外に長期間掲示するのか――目的に応じた最適な紙を選ぶことが、ポスターの完成度を決めます。本記事では、代表的な紙の種類や厚さの基準、屋内・屋外での使い分け、用途別のおすすめを整理し、ポスター印刷に必要な知識を網羅的に解説します。
目次
ポスター印刷において選ばれる紙は、主に「光沢紙(アート紙・コート紙系)」「マット紙」「上質紙」「合成紙」に大別できます。以下では、各紙の特徴と用途を詳しく見ていきます。
光沢紙は塗工紙で、表面が平滑で光沢があり、写真やカラー表現を鮮やかに再現できるのが特徴です。広告や選挙ポスターなどによく利用され、発色や再現性に優れていますが、強い光の下では反射しやすく、鉛筆やペンでの書き込みには適しません。ポスター用としては110kgから135kgの厚さが多く使われています。110kgなら透けにくく、135kgは選挙ポスターやパンフレットの表紙に用いられます。
マット紙はコート紙の光沢を抑えた仕上がりで、落ち着いた色調が特徴です。照明の下でも反射が少なく、目に優しいため文字中心のデザインや美術展のポスターなどに適しています。写真集や美術書の再現にも使われ、110kgから135kg程度の厚さが一般的で、大型ポスターや卓上カレンダーにも利用されます。
上質紙は化学パルプ100%で作られ、コーティングされていないため、コピー用紙に似た質感を持ちます。書き込みがしやすく落ち着いた雰囲気を出すことができますが、発色は控えめで耐水性には劣ります。掲示板や案内用ポスター、文字主体のデザインに適しています。
ヴァンヌーボのような特殊紙は、空気を多く含んだやわらかな風合いと高い白色度を持ち、微妙な光沢を帯びた高級感のある仕上がりを実現します。ブランド広告や作品展など、質感を重視するポスターに選ばれることが多いです。
ポリプロピレン製の耐水紙で、破れにくく雨風に強い特徴を持ち、屋外掲示板やイベント告知、長期にわたる屋外広告に利用されます。用途や目的に応じて異なる種類が用意されています。
・ユポ:標準の耐水紙。屋外用オフセット印刷では耐光インキを使用。
・ユポタック:裏面にシール加工、貼付が容易。
・耐水合成紙マット:オンデマンド専用、耐水+耐光性を併せ持つ。
オンデマンド専用紙は小ロットや短納期での印刷に適しており、必要な部数を効率的に印刷できる点が特徴です。オフセット印刷に比べて自由度が高く、用途やデザインに合わせて選びやすいという利点があります。
・フォト光沢紙:写真再現性に優れ、イラストやビジュアル重視デザイン向け。
・厚手マット紙:光沢なしで落ち着いた仕上がり、文字主体に適する。
・半光沢紙:光沢控えめ、文字と写真が混在するデザインにバランス良。
印刷用紙の厚みは 連量(kg) または 坪量(g/㎡) で表されます。
・コピー用紙:約70kg
・チラシ・カタログ:90kg
・ポスター:110kg〜135kg以上が一般的
・110kg:透けない厚さでポスター標準
・135kg:選挙ポスター、大判ポスター、冊子表紙など
同じ連量でも紙種によって厚みに差があり、上質紙はコート紙よりやや厚く感じられます。
屋外掲示や長期利用では、厚手や耐水紙を選ぶことで反り・破損を防げます。
屋内用:光沢紙(アート/コート)、マット紙、上質紙、ヴァンヌーボ。
→ デザイン性や読みやすさを重視。
屋外用:ユポ、ユポタック、耐水合成紙。
→ 耐水・耐候性を重視。
| 用途 | おすすめ紙種 |
|---|---|
| 写真主体・ビジュアル重視 | 光沢紙、フォト光沢紙 |
| 文字中心・照明下で見やすさ重視 | マット紙、半光沢紙 |
| 手書き追記が必要 | 上質紙 |
| 高級感・作品展 | ヴァンヌーボVG |
| 屋外長期掲示 | ユポ、ユポタック |
| 短期屋外/簡易施工 | 耐水合成紙マット |