病院の集客方法はどう変わっていくのか – 医療機関の広告手法について –
病院といえども、お客様が定着しなければ、採算が合わず、営業を継続することができません。日本は一人当たりの医療施設の数が多く、少子化に伴って生き残りのための手法が求められています。本記事では医療機関に最適な集客手段について考えていきたいと思います。
病院といえども、お客様が定着しなければ、採算が合わず、営業を継続することができません。日本は一人当たりの医療施設の数が多く、少子化に伴って生き残りのための手法が求められています。本記事では医療機関に最適な集客手段について考えていきたいと思います。
厚生労働省のデータによれば、米国の病院数が約5,000であるのに対し、日本は9,000と人口比から考えれば、約4倍の病院が存在します。歯科診療所は60,000以上で、一部の識者は斜陽産業とも称しています。
医療分野の広告は、医療法によって規制されているので、表現などについては厚生労働省のQ&Aなどを参考に注意する必要があります。最近では2017年に医療法が改正され、医療機関のWEBサイトの適正化が図られています。
医療広告には、患者の意思決定の支援と患者保護のバランスが求められています。基本的には、比較広告や誇大広告、客観的な事実が証明できない虚偽広告、公序良俗に反する広告は認められていません。
病院の広告で昔から良く使われているのが、駅の看板、駅貼りポスターや電柱広告です。病院は基本的に地域密着型のビジネスですから、地域のプラットフォームでもある駅や電柱は、まさに地域の基盤であり、代表的な病院告知媒体です。
病院の広告は規制もあり、どちらかと言えば、「待ち」の姿勢が基本でしたが、今日のビジネス環境では、攻めの姿勢も必要となっています。そこで良く用いられるのがチラシやポスティング、屋外サイン、出版物、放送、説明会・イベント、パブリシティーなどです。
ポスティングやチラシは、攻めの広告の代表です。うまくターゲットを設定できれば、少し遠いところからも集客できるので、利用者拡大につながります。以前は、病気になれば、近いところが選択肢の筆頭になりましたが、最近の患者は、評判が良ければ、少し遠くの病院にも来てくれます。
ウェブサイトの口コミなどを利用して、自分に合った医療施設を選ぶ患者も増えています。ポスティングは、このような潜在患者に、医療機関の存在を刷り込みます。普段は医療機関をあまり気にすることはありませんが、調子が悪くなった時には、認知していることが、医療機関選択のためのきっかけになります。
水まわりのトラブルに対応する業者の広告に良く使われているマグネット広告も医療機関の広告にはぴったりかもしれません。
医療機関の宿命は地域との共存です。最近はテレビ広告を大々的に展開する医療機関も増えてきました。しかし、規制もあり告知する内容はほとんどが、機関名の告示やイメージ広告が中心です。
全国に展開するような医療機関は別として、基本は地域密着です。地域に関わる交通広告やポスティング、折り込みチラシ、屋外サインなどをうまく利用するのが中心になります。
地域のフリーペーパーや、コミュニティーペーパー、ケーブルテレビなども有力な媒体です。そして現代において不可欠なのは、インターネットを通じた情報で、特に比較サイトは重要な情報源です。
常日頃から医療機関の比較サイトをウォッチングして、間違いや、不足情報については訂正に努めることが大事です。また、マイナスの投稿があった場合には、けんか腰ではなく、反省点も含めて、コメントすることも大事です。
病院を選択する際に患者が注目するのは、自分が患者になった時、親切に、そして適切な処置をしてくれるのかという、一点です。日頃、接点が無いことで、比較サイトのコメントなどを参考にせざるをえません。
これからの医療機関の広告には、接点づくりが大切です。地域のイベントや、催事への参加、地域住民を巻き込んだイベントづくりなどで、地域の人々との接点づくりが大切です。医療機関の広告・プロモーションはまだ手探りの段階ですが、これからさらに様々な方法が展開されるものと思います。