登壇者プロフィール
木村情報技術株式会社 コンサナリスト®事業部長
川越 満氏
1970年、神奈川県横浜市生まれ。1994年米国大学日本校を卒業後、医薬品業界向けのコンサルティングを主業務とするユート・ブレーンに入社。2016年4月からは、WEB講演会運営や人工知能ビジネスを手掛ける木村情報技術のコンサナリスト®事業部長として、出版及び研修コンサルティング事業に従事している。一般向け書籍の三部作、『病院のしくみ』『よくわかる医療業界』『医療費のしくみ』はいずれもベストセラーになっている。2016年7月に木村情報技術から『地域包括ケアとは、○○である』を出版。2017年2月には『One Patient Detailing実践ガイドブック』を監修した。2021年5月に書籍『ナースのトリセツ』をプロデュース、同年6月に『呼ばれるMR大全』を出版。RISFAXのスマホ版「Sma-RIS」で「今週の提言」連載中。
ラクスル株式会社 ラクスル事業本部 エンタープライズ事業部
川並 拓樹氏
外資系薬品メーカーで4年間の勤務ののち、求人メディア運営会社で3年間の
セールス経験を経てRaksulに入社。求人サイトでの応募~採用のプロセス
改善経験を活かし、ネット印刷を活用したコスト削減・業務効率化コンサルティングに従事。今年リリースの”ラクスルの法人向けサービス”を100社以上の企業様に
導入し、日々の印刷販促業務をサポートしている。
“呼ばれる・会いたいと思われるMR”には 相手目線で価値を感じてもらう工夫が重要
木村情報技術の川越氏は、医薬品業界のコンサルティング会社での経験などを活かし、現在は書籍出版や研修コンサルティング事業に従事されています。製薬企業のMRの皆さんの活動も熟知されていますが「実は、医師がどんなに忙しくても『また会いたい』と思うMRは、わずか数%しかいません」と言います。
川越氏:
「医師から“呼ばれるMR”には、大別して4つの力が求められます。それは《準備・雑学力》《企画力》《患者思考力》《コミュニケーション力・人間力》です。共通して言えるのは、自分の言いたい話をするのではなく相手から課題を聞き出せること。たとえば、アポイントが取れた=商品説明してOK…というわけではありません。自分が顧客の立場になった場合、こちらの話を聞かずにセールストークをされたらどんな気分になるでしょう?むしろ『先生が本当にやりたいことは何ですか?』と真摯に聞き出すことが信頼関係構築の第一歩であり、その先に初めて“また呼ばれる”という未来があるのです」
具体的には「Tバック・ディテーリング」と名付けた手法があります。
川越氏:
「まずは、先生の興味がある話題から始めて、価値を感じていただける情報を伝える。そのうえで、最後に自分の伝えたいメッセージを述べることで(関係ない話をされているな…)と、無関心になってしまうのを防ぐのです。この流れはまさしく、アルファベットの“T”の形状をイメージしてください」とのことでした。たとえば、診療報酬、症例情報、オンライン診療などのトピックから始め、さらに他施設の成功・失敗事例など、先生の興味を離さずトピックを展開していくことで、最後に自社の製品や講演会説明などへスムーズにつなげていけるのです」
“どんなに忙しくても会いたいと思うMR”についてもご紹介いただきました。
川越氏:
「・タテ社会の医師をつなぐ人脈とネットワーク思考がある
・添付文書に書かれていない情報を語れて、処方設計のアドバイスができる
・経営に興味があり、増患対策なども語れるビジネスマインドが高い
・同業や異なる業界も含めた“噂話”ができて話題が豊富
・売り手目線ではなく、患者さん目線/患者さん志向で自社製品を定義できる
忙しくてなかなか時間を確保できない先生方にとっては、このように視野が広くて対話の価値を感じられる場と関係性を作れるのが“会いたいMR”と言えます」
さらに、コロナ禍の今は講演会や勉強会もオンラインで実施するケースが増えてきました。医師の先生方は演者であり視聴者にもなることから、Web講演会は“呼ばれるMRになるきっかけ”としても非常に有効な手立てです。
川越氏:
「まず、視聴者対策としては、多職種が参加できる・講演会後の情報提供をあらかじめ決めておく・興味のあるタイトル案をあらかじめリサーチしておく…など、参加したくなる+参加してよかったと実感してもらえる工夫が大切です。
一方、演者対策としておすすめなのは、座長と他の演者を交えて事前にWebミーティングを実施することです。対面の場合、時間や地理的な理由でなかなか開催できませんでしたが、オンラインであれば容易に実行できるようになりました。リレーションの構築や講演会の満足度を高めるためにも、事前にぜひ実践してほしい取り組みです。DX推進が求められているなかでも、デジタルコミュニケーションがあまり得意でない方は少なくありません。ツールの利便性と、対面以上にさまざまな方とつながりを育めるデジタルコミュニケーションの価値を同時に感じていただくことで、よりスムーズに活用いただけるようになっていくと思います」
「セミナー案内状リモート印刷サービス」で 印刷・発送業務を効率化し、MRさんの本業をサポート
続いて、ラクスル株式会社エンタープライズ事業部の川並 拓樹からは、製薬企業様にご活用いただける「セミナー案内状リモート印刷サービス」のソリューションについてご紹介しました。
川並:
「講演会などの案内状印刷・発送業務の効率化を実現するサービスです。コロナ禍のリモートワークなど新しい働き方が求められるようになった今、現場のMRの皆さんの業務負担を軽減し、より本業に時間と労力をかけていただくサポートの役割を果たします」
コロナ禍となり、講演会の案内状印刷や発送業務では「デザインの制作や印刷の負担が大きい」「リモートワークや営業所の統廃合で複合機が使えない(コンビニなどで印刷する)」「小ロット印刷でコスト割高に」「支店や営業所のMRが個別対応するので、本部の管理統制が及ばない」といった声が聞かれるようになりました。
川並:
「ラクスルが実施したアンケート調査によると、講演会1回あたりの印刷・発送業務所要時間は2-3時間/月、頻度は1-2回/月、部数は100-300部/1回という結果が出ました。これらはMRの方1人当たりの数値であり、特に全体の約4割の方が『宛名シールの印字や封入などの発送準備に最も負担を感じている』という結果となりました」
講演会や勉強会は、医師の先生方との接点づくりや自社製品の情報提供のために有用な場である一方、そのための案内状印刷や発送業務は、売上に直接関与せず負担が大きい業務です。そこで、MRの皆さんが本業に専念できる体制構築のために「セミナー案内状リモート印刷サービス」が役立ちます。
川並:
「本サービスの特徴は『小ロット・短納期・低価格で無料の案内状テンプレートを多数用意』『医療従事者へ直接Web上で発送できるダイレクトメールサービス』『印刷発注管理システムを提供し、本部一括請求や承認機能が利用可能』の3つです。コロナ禍で顕在化した現場の課題を解決し、業務効率化を実現することで、より効果的かつ効率的に本業の事業への注力を行っていただけるようになります」
セミナー後半では、事前に参加者の方から寄せられたご質問に対して、川越氏から改めてご回答いただく時間を設けました。Web講演会運営の配信実績でシェアトップを誇る木村情報技術様ならではのアドバイスもいただきました。
川越氏:
「講演会の案内状はデザインが重要です。演者の名前と時間、開催日だけのそっけないお知らせでは、なかなか参加意欲をかきたてることができません。ラクスルさんのサービスではテンプレートも充実していますが、目に止まりやすくするデザインは重要なポイントだと言えます。
また、意外と見落とされがちなのが、講演会の開催時間。実は、平日開催の講演会の約90%が18時以降から始まるという結果があります。しかし、2024年4月以降は勤務医の時間外労働上限がより厳しくなるので、講演会の夜間開催は厳しくなるでしょう。早朝や昼休み時間での開催など、内容の充実と合わせて先生方が参加しやすくなる工夫が、他の講演会との差別化ポイントにもなるはずです」
コロナ禍の影響は、人と人との関係構築やコミュニケーションの方法を抜本的に変化させました。そのなかでも、医師の先生方に会える・信頼されるMRを目指すにはどうすべきか?多彩な工夫を凝らすとともに、業務効率化や一括管理ができる部分は新しいサービスを活用するなど、今を生き抜く製薬企業様、MRの皆さんにとって有用な情報をお届けするセミナーとなりました。
上記セミナーはアーカイブ配信のご視聴が可能ですので以下よりお申し込みください。
また、製薬企業様むけのプロモーションに関するお役立ち資料のご用意がございますのでぜひ以下よりダウンロードをお申し込みください。