印象によって使い分ける、名刺に使用するカラー
以前は活版印刷やシルクスクリーンを利用して、印刷面が少し盛り上がった名刺や、活字独特の味わいのある名刺を愛用する方も多かったのですが、最近は名刺もオフセット印刷が使われるようになりました。そんな中で注目されているのが、色彩表現です。
本記事では名刺の色彩について詳しくみていきたいと思います。
以前は活版印刷やシルクスクリーンを利用して、印刷面が少し盛り上がった名刺や、活字独特の味わいのある名刺を愛用する方も多かったのですが、最近は名刺もオフセット印刷が使われるようになりました。そんな中で注目されているのが、色彩表現です。
本記事では名刺の色彩について詳しくみていきたいと思います。
ある広告代理店では、100色のカラー名刺を利用しています。通常名刺におけるカラー戦略は、コーポレートカラーやブランドカラーをワンポイントで使うことによって、企業色を打ち出しますが、こちらは、企業より個性ある人材を前面に出した戦略です。
このようなポリシーに二番煎じはかないませんから、追随する企業はなかなかないようです。いずれにしろ、現代のブランディング戦略に、カラー戦略は欠かせない要素となっています。
さて、名刺を受けとった時、まず目に入るのは、まず確認したい会社名や氏名、役職などですが、もう一つ何気なく頭に入ってくるのが、色彩です。色彩はその人ごとに経験や感じ方が少しは違うものの、ある程度共通したイメージを産み出します。今回は色彩とイメージについて整理します。
世界で、そして日本で好まれている色は、ずばり「青」です。青は誠実さや信頼性、理知的な色としてイメージングされます。ブランドカラーとしてもよく利用されています。ある意味安心して利用できる色です。
青の反対色として認識されるのが、「赤」です。赤は行動的で、情熱や生命力、エネルギーを象徴しています。赤色の光は最も長周期なので、赤ちゃんが最初に認識する色で、アリゾナ州立大の調査によれば、女性は男性よりも、より多くの赤系統の色彩を見分けることができるとも言われています。
黄色は、金運や希望、明るさ、注意といったイメージでとらえられ、明るい黄色は目に過度な刺激やイライラをイメージさせることもあります。赤との組み合わせは食欲をそそる色の組み合わせとして、多くのファーストフード店のロゴに利用されています。
オレンジは陽気、元気、楽しさなどをイメージする色です。ピンクは女性らしさをイメージングします。緑色は自然や平和、健康などを象徴します。健康食品やミネラルウォーターなどのブランドによく利用されます。
ほとんどの会社では会社の広報戦略として、名刺のデザインが決定されており、自分勝手に名刺を制作することはできません。しかし、個人の名刺や、まだルールの決まっていない会社であれば、ある意味ゼロから名刺のデザインをすることができます。
そんな時、ぜひ検討して欲しいのは、フォントや色彩、サイズなどをミックスするデザイン技術です。名刺は一般的に55x91mmの小さなキャンバスへのデザインになります。そこに沢山の要素を詰め込むと、ごった煮になってしまい、伝えたいことも伝わりません。
色彩についても、基本はメインカラーであるスミ文字をベースとして、コーポレートブランドに使われるコーポレートカラーをアクセントカラーとして位置付け、場合によってはサブカラーを使うといったシンプルなカラーリングで主張するのが基本です。
全てのキャンパスを絵の具で塗るのではなく、うまく空間を利用しましょう。
さて、名刺のデザインのもう一つの要素が紙の選択です。用紙はキャンバスそのものですから、用紙やその色は、名刺全体のイメージを決定します。定番はなんといっても白ですが、光沢紙、上質紙、エンボス紙、和紙など多くの種類があるので、よく検討してください。
色用紙を利用する場合は、クリーム系やオレンジ系、ブルー系などの薄い色彩を利用するのが、名刺の文字情報を伝えるための基本です。再生紙などのエコロジー関連の用紙もよく利用されます。特殊な用紙を利用する場合は、その用紙を利用する理由も明確にしておいた方が良いかもしれません。