人気のお店に裏メニューあり?裏メニューが存在する理由
人気店によくある裏メニューはメニューに載っていないため、初めてのお客さまはその存在を知ることができません。どんなに美味しくてもそれらを表メニューに載せないことがあります。常連さんだけが知っている裏メニューはなぜ存在するのでしょう。 売れるものを意図的に売らないというこの手法は実はマーケティングという面からみてもとても意味のあることなのです。ここでは裏メニューが存在する理由について説明します。
人気店によくある裏メニューはメニューに載っていないため、初めてのお客さまはその存在を知ることができません。どんなに美味しくてもそれらを表メニューに載せないことがあります。常連さんだけが知っている裏メニューはなぜ存在するのでしょう。 売れるものを意図的に売らないというこの手法は実はマーケティングという面からみてもとても意味のあることなのです。ここでは裏メニューが存在する理由について説明します。
ときどき「裏メニュー」と称して本当にメニューの裏に書いて誰でも注文できる裏メニューが存在しますが、本当の意味での裏メニューはお店の人が特別なお客様に出すメニューになります。
裏メニューを出してもらったお客さまは他のお客さまとの差別化をしてもらうことで優越感を味わうことができます。お店に対して「ここまでしてもらっている」という感覚を持つようになったら、もうほかのお店に浮気しないですよね。
裏メニューの存在は常連客の流出を防ぐためにあるのです。もちろんほとんどのお店がそのような下心があって裏メニューを出すわけではありません。お客さまに喜んでもらいたい。その思いからメニューには載せていないけど、いい材料が入ったから食べてもらいたい。そんな気持ちで生まれたのが裏メニューです。
ところが、裏メニューによって常連客を引き止める効果があるとわかったことで、マーケティングに組み込まれていったわけです。その流れの影響で「誰でも頼める裏メニュー」のような本来の目的を失った裏メニューができたわけです。
一度原点に戻りましょう。裏メニューはお客さまに喜んでもらうためにあるのです。喜ばせたい相手は何度も通ってくれて顔なじみになった常連客ですよね。いつも以上の喜びや驚きを与えたい。そのために裏メニューは存在します。
マクドナルドやスタバにも裏メニューというものが存在します。マクドナルドであればドリンクの氷なし、ポテトの塩多め・塩なし、ハンバーガーの野菜抜きなどがあります。スタバだとカフェイン抜きやミルク多め、細かな温度調整をしてくれます。
これらは裏メニューというよりはお客様一人ひとりに合わせたオーダーメイドのようなものです。ただ知らない人は知らないですし、メニューにも掲載されていないため「裏メニュー」として存在します。
お客さまにしてみると自分好みに調整してくれるサービスは嬉しいですし、周りの人は知らないけど自分だけが知っているサービスのようでちょっとした通になったような気分を味わうことができます。マクドナルドやスタバは「あえて」裏メニューを掲載しないのです。
基本は効率を求めマニュアル通りに動くのですが、マニュアルから外れることもマニュアル化(裏メニュー化)することでお客さまにサプライズを演出することができるのです。裏メニューとして知る人ぞ知るものにすることでお客さまの喜びにつなげ、そのうえでメニューが複雑になることを避けるというメリットもあります。
これらは裏メニューではあるのですが、常連客でなくても注文することができるのが特徴です。お店側からするとお客様のためのサービスという意味では料理店が常連客にだけ出す裏メニューと同じなのですが、その対象が「特定」なのか「全ての人」なのかの違いがあります。
裏メニューを提供するのは何もお客様のことだけを思って行うわけではありません。裏メニューを提供するのはテストマーケティングができるというメリットがあります。お客さまを喜ばせるだけではなく、自分のお店のためにも裏メニューを利用することができるのです。
新しい料理を考えたのだけれど売れるかどうか自信がない。もっと改善点があるはずだと思ったとき、常連さんに裏メニューとして「まだメニューに載ってないですけど試してみませんか?」とおすすめして即席の試食会をするのです。
常連客ですから本音を聞くことができます。最初は「美味しい美味しい」と言ってくれるかもしれませんが、徐々に改善点を口にしてくれます。何度も利用してくれる信頼できるお客さんにだからその本音はとても意味のあるものになります。
どんなに自信があるものでも石橋は叩いて渡るのがビジネスの基本です。裏メニューを活用することでぶっつけ本番を避けることができ、そのうえでお客さまにも特別な感じを持ってもらうことが出来るのが裏メニューが存在する理由のひとつになります。
裏メニューはサプライズであり、お客様に喜んでもらう存在です。お客さまに特別感を味わってもらうことや、オーダーメイドで自分の好みに仕上げてもらうことがお客さまの喜びにつながり、そしてお店に対するロイヤリティに変わっていくのです。
人気のお店に裏メニューが存在するのはお客さまを喜ばせたいというお店の思いにお客様が反応した結果とも言えます。裏メニューがあると儲かるわけではなく、裏メニューに思いを込めることで売上アップにつながるのだと覚えておきましょう。