なぜ違う?A版サイズとB版サイズの特徴比較
仕事で使う文書は、A4用紙が一般的です。勉強に使うノートはB5サイズが標準サイズです。シーンや目的によってA版とB版に分かれているかと思いきや、B4サイズのコピー用紙が登場したり、A5サイズのノートが出てきたり、統一されていませんね。A版とB版が、どちらも使われている理由は何なのでしょうか?
仕事で使う文書は、A4用紙が一般的です。勉強に使うノートはB5サイズが標準サイズです。シーンや目的によってA版とB版に分かれているかと思いきや、B4サイズのコピー用紙が登場したり、A5サイズのノートが出てきたり、統一されていませんね。A版とB版が、どちらも使われている理由は何なのでしょうか?
A版という規格は、19世紀末のドイツで物理学者のオズワルドによって考案されました。現在国際基準の規格となっているのは、このA版です。それに対し、B版は、日本で江戸幕府によって公用とされていた美濃紙の寸法が元になっています。現在、この規格を取り扱っているのは、日本・中国・台湾の3カ国です。
規格以外の大きな違いは両者のサイズです。A版はA0サイズが841×1189で設定され、A1、A2と数字が小さくなるごとに大きさが半分になっていきます。B版も同様に、B0を1030×1456とし、数字が小さくなるごとに半分になっていきます。正方形は半分に折ると長方形になり、サイズの比率が変わってしまうのに対し、A版B版ともに比率は変わりません。これによって、1度採寸すればサイズを小さくしても、同じ比率の物になるという、手間もコストも抑える事ができます。
日本では、A版とB版のどちらもJIS(日本工業規格)で紙の規格として定められているため、日常の中に両方の規格が混在しています。どのサイズが相応しいかは、世間一般の標準に合わせるしかありません。例えば、B版は中国・台湾を除く海外では取り扱われていないため、海外向けの書類などはA版で提出しなければなりません。
身の周りに2つの規格が混在していても、特に問題がなく感覚で使い分けている人が大半でしょう。そのような状況でも混乱が起きない理由は、2つの規格の安定感と、古くから使われて浸透してきた事に由来すると言えます。