最低限知っておきたいフォントの基礎知識(欧文版)
フォントは好きだけど、そう言えばフォントについて何も知らない… 今一度フォントの基本をおさえておきましょう。 「ノンデザイナーズ・デザインブック」で紹介されている区分を元に フォントの基礎知識をご紹介します。プロのデザイナーではないけれど、デザインを学びたい人向けの知識が詰まっています。 デザインに興味がある方に是非お勧めしたい一冊です。
フォントは好きだけど、そう言えばフォントについて何も知らない… 今一度フォントの基本をおさえておきましょう。 「ノンデザイナーズ・デザインブック」で紹介されている区分を元に フォントの基礎知識をご紹介します。プロのデザイナーではないけれど、デザインを学びたい人向けの知識が詰まっています。 デザインに興味がある方に是非お勧めしたい一冊です。
ドスタイルで作られた書体は、手書き文字をお手本にしています。 文字には必ずセリフ(文字のストロークの端にある小さな飾り)があります。小文字のセリフは必ず斜めになっています。(図参照)手書きのペンで書かれた文字であるために、文字の曲線部分には太い部分から細い部分への太さの推移があります。これを専門用語で「thick/thin transition」と呼びます。オールドスタイルにおいては、この筆致のコントラストは比較的穏やかです。曲線のもっとも細い部分同士を結んだ線をストレス(stress)と呼びます。オールドスタイルの活字は斜めのストレスをもっています。 オールドスタイルの書体は全て同じように見えます。 個性が強くないところがこの書体の個性なのです。文字そのものに注意を払う必要がないため、読み手はスムーズに文章を読むことが出来ます。ですから、長文の文章をレイアウトするときにはオールドスタイルの文字がおすすめです。 ・有名なオールドスタイル書体 -Garamond -Times New Roman -Goudy -Baskerville …
ファッションと同じように、活字にも流行があります。 1700年代、紙が以前よりもなめらかになり印刷技術も発展すると、よりいっそうメカニカルな活字が誕生しました。これがです。先に紹介したオールドスタイルとは違って、モダン文字は手書きの文字を模倣していません。同じようにセリフがありますが、傾斜せず水平で不自然に細くなっています。また、ストレスはほぼ垂直です。太い部分は出来る限り太く、細い部分は出来る限り細く。強いコントラストを持ち、人目を引くのがこの文字の特徴です。 モダン書体は強い太さの推移(コントラスト)を持っているため、多量の文字を読ませるのには適しません。しかし、人工的でエレガントな雰囲気、与える印象の強さはこの字特有のもの。 用途を選べば読み手の目線を惹きつけることが出来るでしょう。 ・有名なモダン書体 -Bodoni -Times New Bold -Ultra -Walbaum …
命は広告という新しい概念をもたらしました。 初期の広告では先ほどのモダン書体の太い部分をさらに太めた書体が使われました。しかし、こうした文字は遠目に見ると太い部分しか目に入らず、読み取れません。ではどうしたらいいのでしょう?そう、文字全体を太くすれば良いのです。 こうして出来たのがスラブセリフです。 ですから、スラブセリフ書体には太さの推移をほとんどありません。 スラブセリフ書体は可読性に優れているので、本文部分に使うのにも適しています。しかし、文字が太く推移が少ない分、オールドスタイルで作られたページに比べると全体的に文章部分が目立つ暗めのページになります。出来あがりのイメージに合わせて書体を使い分けて下さい。 ・有名なスラブセリフ文字 -Clarendon -Memphis -Cairo -New Century Schoolbook …
「sans」とはフランス語で「~がない」という意味です。サンセリフ書体にはその名の通り、セリフがありません。セリフをなくすという考え方は書体の進化のかなり後期に出てきたもので、20世紀に入るまではあまり市民権を得られませんでした。サンセリフ書体はほとんど必ずといっていいほど太さが一定で、コントラストを持ちません。
中には例外もあります。膨大な数のあるサンセリフ書体には、ごくごく少数ですが、わずかな太さの推移を持つ書体があるのです。このような書体は、コントラストを持つ点で他のセリフのある書体に似ていますが、セリフを持たない点ではやはり一般的なサンセリフの書体にも似ています。 このため他の書体と組み合わせて使うのがとても難しいのが特徴です。 ・有名なサンセリフ書体 -Antique Olive -Franklin Gothic -Futura -Formata …
スクリプト書体のカテゴリーには、装飾書体用のペンや筆、鉛筆、製図ペンで書いた文字のように見える書体が全て含まれます。このカテゴリーはさらにいくつかのグループに用意に分類することができます。つづけ字(英語の授業で習った筆記体です)のスクリプト書体、普通の手書き文字を真似た書体、カリグラフィーのような書体などなど。 スクリプト書体は強いインパクトを持ちます。使いすぎるとしつこい印象を与えるので、要所要所で使うのがおすすめです。ここぞ!というタイミングで思いきって大きなサイズで使うと、目覚ましい効果を発揮します。 フリーフォントでも使いやすいスクリプト書体が沢山あるので、是非お気に入りを探してみてください。 ・有名なスクリプト書体 -arid -linoscript -zapf
前述したどのカテゴリーにも属さず、本文全体がその書体で組んであったら読みたくなくなるような書体はたいていデコラティブ書体に分類できます。デコラティブ書体は目立ちます。目立ち、楽しく、使いやすく、大抵の場合値段も安い(あるいは無料)です。何か風変わりなアイディアを表現したいとき、必ず手助けとなるでしょう。 例えばくだけた雰囲気を感じる書体をあえて格式ばった場面で使ったらどうなるでしょうか。おどろおどろしい文字を愉快な文章に使ったらどのような印象を与えるでしょうか。デコラティブ書体は使い方次第で、明白な感情をまっすぐに伝えることも、あえて異なる意味合いをひねって伝えることもできます。使いすぎに注意しつつ、沢山の可能性を試してみてください。
それぞれのフォントの個性がおわかり頂けたでしょうか。 使い道にあわせて、色々なフォントを使ってみて下さい。