リスティング広告とポスティング、どちらを選べば良いのか?
スマートフォンの普及などのおかげでインターネットの普及率がほぼ100%と言える日本において、リスティング広告は企業にとって欠かせない集客手段のひとつになっている。しかし、最近、一般化しているが故の高騰が起こっているのも事実。なぜ起こっているか?なぜポスティングは同じことが起こらないのか?を考察したいと思う。
スマートフォンの普及などのおかげでインターネットの普及率がほぼ100%と言える日本において、リスティング広告は企業にとって欠かせない集客手段のひとつになっている。しかし、最近、一般化しているが故の高騰が起こっているのも事実。なぜ起こっているか?なぜポスティングは同じことが起こらないのか?を考察したいと思う。
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リスティング広告はクリックのたびに課金されるCPC課金である。過去のWEB広告は枠にバナーを掲載するなど、掲載課金もあったが減ってきている。リスティング広告はオークション方式であることが高騰しやすい要因だ。また、Googleを始めYahooなどのリスティング広告の媒体社が一般のユーザーが使いやすいようにマニュアルを無料で提供したり、電話サポートを無償提供していることも大きな要因のひとつといえるだろう。以前の広告は広告代理店を通してしか買えなかったのがすべてのユーザーが買えるようになったのだ。また、予算を自分で設定することができ、1万円程度から掲載が可能。どのような規模のユーザーでも広告が出せるようになったことは言うまでも無くイノベーションである。つまり、ユーザー全てが買いたくて、すべての人が参加できるオークションがリスティング広告である。そのために、全員で入札が起こるがゆえに価格の高騰が起こっている。
テレビ広告や新聞広告などのマスコミ4媒体がほとんどだった状態から、フリーペーパーやポスティング、新聞折込など、現在はさまざまな媒体がある。反響が見えないと言う免罪符があったため、費用対効果と言うものを測定する文化が無かったのも事実。その中でリスティングなどのWEB広告という反響が明確に見える広告媒体の登場により、リアル広告においても費用対効果を図ると言う文化ができた。以前は広告代理店が価格コントロールをしていたため、100万円単位の予算が無いと広告が出せなかった。しかし、一時期の不景気により大手のみでは広告代理店の経営が成り立たなくなっているため、最低広告出稿予算を下げる傾向にある。WEB広告によって起こされた広告の低価格化および低予算化の波がリアル広告にも波及している。また、リアル広告の中でもポスティングは特殊な媒体だ。一人の人があるエリアで配布する時にチラシを1枚持って配布するのではなく、複数枚を同時に配布する。つまり、一度に配布できる枚数が増えれば増えるほど、効率が上がるので、ポスティングを行うユーザーが増えるほど価格を下げることが可能なのがポスティングなのである。そのため、ポスティングが一般化かつ、WEBでも注文できる昨今においてはポスティングの価格は低価格化する可能性を秘めている。
リスティングの対象は狙ったワードを検索した人である。検索する人は、どんな意図を持って検索したかわからないが似ている内容に関しては表示される。もちろん、クリックされなければ課金はされないので読者が間違ってクリックしない限りは問題ない。ポイントは特定ワードで検索した人と言うこと。ターゲティングの種類で言えば、「○○と言うニーズのある方」と言うマインドターゲティングである。都道府県単位ではターゲットできるのだが、それもIPベースなのでそれほど信用できないだろう。マインドターゲティングに強いのがリスティングである。それに対してポスティングの対象は特定のエリアである。「A市に住んでいる人」「お店の近くの人」などのエリアターゲティングである。「美容院に行きたい人」など、マインドターゲティングはできない。しかし、人間の性である、「あ、いいかも」を取るのには有効。ユーザーが意図しなかった発見性を実現できるのがポスティングだと言えよう。つまり、リーチの違いはリスティングはマインドターゲティング、ポスティングはエリアターゲティングと言う違いである。
リスティングの価格帯は1クリックで50円~500円程度。ポスティングだと、1枚見られたらと言うところだろう。それに対してポスティングは1配布4円~15円程度。印刷込みで5.2円~17円程度。リスティングだと、1枚配布が1回検索時に表示されたらと言うところだろう。価格だけだと、10倍以上違う計算になる。この価格は上にも書いたが費用対効果思考が強まった結果と考えられるので、同じ予算をかけた時に同じ程度の反響を得られると考えられる。リスティングはクリックされたら課金なので、無駄撃ち無し。それに対して、ポスティングはチラシを廃棄される可能性もあるので、無駄撃ちはある程度出てしまう。
リスティングはグーグル等でワード検索してもらえればわかるが、広告と言うよりはタイトルとリードと呼ばれるWEBサイトの説明文である。それに対し、ポスティングはチラシ。ポストに入るのであればさまざまなサイズや形が可能。広告自体の訴求力はポスティングの方が強いと言えよう。ただ、リスティングも飛んだ後のWEBサイトをちゃんと作っているのであれば非常に有効である。リスティングならば、興味をそそるサイトの説明。ポスティングならば、興味がある人がちゃんと見たくなるようなチラシを作ることがポイントになってくる。
価格特性、リーチ特性、広告の違いなどを加味すると、WEBに強い企業やWEBサイトなどに力を入れている会社はリスティング広告の方が親和性が高く、地元密着であったり、地域限定のサービスを提供している、店舗を経営している会社はポスティング広告の方が有効なのではないか。リスティング、ポスティング共に良いところと悪いところがはっきりしており、一長一短と言った広告になっている。しかし、テクノロジーの発展により、どちらも比較的低予算から始めることができるためチャレンジしやすい。一喜一憂することなく、どんな媒体でどんな広告を作ったら反響が良いか。と言うのを検証しながら続けていくことが重要である。