印刷の仕組みを知ろう!【ラクスル印刷講座(番外編)】

"印刷の製造過程を知っていると、入稿用データをつくるときや注文するときに参考になります。 「なぜ大部数だと安くなるの?」「なぜネット注文は小ロットでも低価格なの?」— 改めて考えると疑問が浮かびませんか? 印刷の製造工程を理解して、賢くおトクに注文を行いましょう!"

"印刷の製造過程を知っていると、入稿用データをつくるときや注文するときに参考になります。 「なぜ大部数だと安くなるの?」「なぜネット注文は小ロットでも低価格なの?」— 改めて考えると疑問が浮かびませんか? 印刷の製造工程を理解して、賢くおトクに注文を行いましょう!"

「版をつくる」、という言葉を聞いたことはありませんか。
カラー印刷の場合、C(シアン:水色)、M(マゼンダ:ピンク)、Y(イエロー:黄)、K(キープレート:黒)の4色の版をそれぞれつくり、それぞれのインクを紙に重ねることでフルカラーが表現されます。
この仕組みを知ると、白黒の印刷物が安価な理由が分かります。
K(スミ/ブラック)の1色分の版だけをつくれば済むからです。
版をつくるコストは、少部数でも大部数でも同じです。白黒なら1版分、フルカラーなら4版分です。
したがって、出来上がった版を使って部数が多ければ多いほど、1枚あたりにかかる版の制作コストはどんどん下がっていきます。
この初期コストの分散が、大部数の注文が格段に安くなる最大の理由です。

業務用の印刷機材は、A4やB4といった私たちが普段使用する最終サイズでそのまま刷るするわけではありません。全判や菊判と呼ばれる、大きなサイズの紙で一度に大量に印刷しています。
たとえば、A4サイズのものを印刷する際は、8枚分のA4データを繋ぎあわせて大きな版をつくります。
印刷機材の用紙サイズを変更するのが大変なため、できる限り同じサイズの紙を集めて製造します。

複数のデータを繋ぎあわせて、大きな版のデータを作成することを「面付け」といいます。
たとえば、お客様がA4フルカラーで100部を注文したとします。そのお客様のデータだけで版をつくると、大きな紙1枚あたりA4換算で8枚取れる場合、たった13枚(100部÷8枚/面)しか製造できません。これは非常に割高です。
ネット印刷が安いのは、面付けの非効率を解消しているためです。
たとえば、a社が400部、b社が200部、c社とd社が100部のオーダーをしたとします。
ネット印刷では、これらの異なるお客様のデータを、最も効率的になるように大きな紙の上で面付けして一度に製造します。(例:a社を4面、b社を2面、c社とd社を各1面)付
これにより、一度に制作した版で100枚の大きな紙を製造できるようになり、製造コストが大幅に抑えられます。ニーズの多い部数帯が効率的に面付けできるため、お客様にもおトクな価格で発注できるのです。