初めて印刷物を注文されるお客様にとっては、「データチェックって？」と思われる方も多いと思います。これは美しい印刷物をお届けするために、とてもとても大切なプロセスなのです。
だから、この行程を経なければ受付日が決定せず、お客様の元に印刷物を届けることができません。この確認作業において、データの不備が発見されると、その後、再入稿をお願いさせていただくことになります。データチェックのためにお待ちいただく時間があったり、再入稿になればお客様のお手間をとらせることになり、大変心苦しいのですが、 このプロセスは、美しい仕上がりのためにはどうしても必要なこと。
プロのDTPオペレータの目と手でしっかりチェックをさせてもらっています。では、「なぜ、データチェックが必要なの？」「どんな時に再入稿になるの？」
今回の特集では、データチェックの行われていることに迫っていきます。
「印刷の仕組みを知ろう」でご説明した通り、通常1枚の大きな紙に複数のデータが付け合わせされた状態で印刷し、印刷後に断裁します。その時、断裁の刃の重みで断裁位置に多少のズレが生じてしまいますので、そのズレを考慮したデータ作成をしなければなりません。
そのため、背景の色や背景の写真が仕上りサイズ（A4でご注文の場合は、210×297mm）ギリギリの大きさだと端がズレてしまう可能性が高く、ふちなしの印刷をご希望いただいても、余白ができてしまう場合があるのです。
同じ理由で、大事な文字は内側3mmまで！もしも、仕上りサイズギリギリに文字があると再入稿いただく、ということになります！
だから必ず、仕上りサイズよりも「各辺3mm以上塗り足し」と「各辺3mm以内に文字をおさめる」データをお願いいたします。
「ラクスルのテンプレート」でデータ作成いただければ、3mmの塗り足しのガイドもありますので、とても便利です。
「解像度」とは画像の精細さを表す数値となります。単位はdpi(dots per inch)ppi(pixel per inch)を用いますが、これは1インチの中に点が幾つあるかを示しております。「高解像度」ということは「dpiが高い」ということになり、1インチあたりの点が多いことを意味します。
キレイに画像を印刷するのに必要な解像度は「350dpi」と言われています。印刷する際に低解像度の画像を使用してしまいますと、目が粗いまま印刷してしまわれるため、 DTPオペレータがチェックをし、再入稿をお願いすることにしています。
詳しくは【解像度について】をご覧下さい。
フォントを使用したデータを、作成したパソコンと別の環境のパソコンで開こうとすると、文字化けや文字位置のズレなどといった問題が発生します。
そのため、入稿データのフォントは必ず「アウトラインの作成」をすることで文字が図形として認識され、別の環境のパソコンでも正しくフォントが表示されるようにする必要があります。
詳しくは【書体について】をご覧ください。
CMYKのすべてのインクを使うと、Kだけを使うよりも深いクロの色が出せます。しかし同時にリスクもあります。
CMYKすべてを100%に設定するのが4色ベタと言います。これは、同一箇所に大量にインキを使うため、インキが乾きにくく、裏移りなどのトラブル原因となりますので、使用しないのが印刷のキホンです。
CMYKの総インキ量が300%以上だと再入稿をお願いしています。また、リッチブラックなどのCMYK4色を掛け合わせて
作成された黒を、細かい文字や細い線などに使用すると、版ズレによりにじんだように見える可能性があるので、
背景の黒は、K100％をおすすめします。【印刷における黒について】をご覧ください。
