こんなにもあります!ポイントカード、会員カードのメリット

ポイントカード、会員カードの最もわかりやすいメリットはお客さまが「得した」と思ってもらうことです。10万円のパソコンを購入するのに10%ポイント還元だとすると、お客さまは「1万円の得をした」と感じます。

ほとんどの場合、実はこの10%分のポイントがすでに価格に含まれています。そのためお店にしてみればそれほどの損失があるわけではありません。それでもお客さまはお得だと感じますし、そのポイントは同系列のお店でしか浮かうことができないためリピート購入につながります。

10万円で購入したパソコンのポイント10%、1万円分の買い物をまた同じお店か同じ系列のおみせですることになります。そうやってお客様に何度も足を運んでもらっているうちにお客さまを囲い込むことができるのです。

ただし、このポイントのお得感というのは実はポイントカードや会員カードのメリットの中でそれほど重要度が高くありません。賢い一部のお客さまは同じお店ばかり使うようにしていますが、大多数のお客様はライバル店のポイントカードも持っているのです。

そうなるとポイントによるお得感よりも、いま支払う金額でのお得感、すなわち安い方で購入することになるため囲い込みができなくなります。

ポイントカードや会員カードはお客さまの購入履歴とすべて結びついています。いつどこで何を買ったというデータがお店のデータベースに残っています。これこそがポイントカードや会員カードの最大のメリットです。

これらの情報からは商品の売れ筋が見えてきます。あるお客様がAという商品を買い続けていたのに、あるときからBという商品に切り替えていたとします。これが他のお客さまでも見られる減少だった場合、理由はともかく売れ筋が変わったことを示しています。

これまでであれば、売れたものを単純に補完しているだけだったのが、売れ筋が見えてくることで死に筋になった商品の陳列を止めることもできます。まったく同じ時期に起きた現象であれば、その原因を探るという行動にも移せます。

正しくデータ分析をしてお客さま好みのお店に変えていくこと。分析をすることで「お得なお店」ではなく「わたし好みのお店」を目指すのです。これがポイントカードや会員カードを導入する本来の目的です。

ところがこのデータは膨大なものになっているため、多くのお店ではポイントカードや会員カードを導入することで満足しているという現状があります。せっかくの情報を分析しきれないで持て余しているという現状があります。

スノーピークの会員ポイントカードは購入金額によってそのステータスが変わります。レギュラー会員から始まり、シルバー、ゴールド、プラチナになり最終的にはブラックカード会員になれるのです。会員のランクによってポイント付与率が変わってきます。

このシステムの素晴らしいところはこのステータスにあります。スノーピークには熱烈なファンが大勢います。ただし商品の単価が高くなかなか購入する決断ができないのですがこのステータスにより購買意欲を煽るだけでなく、ファンの中でのランクづけも高めてしまうことができます。

ブラックカード会員になると周りから「あの人はすごい」と言ってもらえる優越感があるわけです。

スノーピークの会員ポイントカードほどではないにしても優良顧客を優遇するためにポイントカードや会員カードを使っている企業が多数あります。お店に利益をもたらしてくれるお客さまを特別に大切にするのです。このことでお客さまはそのお店に対して忠誠心を持つようになるのです。

大切なお客さまを手放さないためにポイントカード、会員カードのデータから優良顧客を見つけ出し、特別扱いするのです。そのことによりお店は安定した収益を得ることができるようになります。