高級クラブや高級ラウンジ、会員制のスーパーなど。これらはすべて「会員制」を導入し成り立っている店舗です。これらの店舗はほとんどの場合、新規顧客獲得のために特別な広告や宣伝を打ったりはしません。通常、企業にとって新規顧客の獲得やそれに関する広告活動は重要な要素です。それを行っていないにも関わらず、世の中には高い顧客満足度と大きな売上も誇っている、そんな多くの会員制店舗が存在します。一体なぜ、このような会員制の店舗は成り立つのでしょうか。この記事では、その3つの理由をご紹介します。
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会員制ビジネスの大きな特徴は、その資金繰りの良さです。他の多くの業種・業態ではその日ごとに売り上げが変動するため、業者への支払い等資金繰りが大変な面があります。例えば、飲食店であれば雨の日の客足は遠のき、逆に宅配ピザ屋であれば雨の日の方が売上が上がる、といった具合です。このように、一般的な店舗形態の商売は、天候や気温といった時事的な要因に売り上げが左右されることが多く、収入の予測は困難です。一方、会員制店舗では月や年に一度の会費から収入を得ているため、天候や気温などで来店人数は少なくなっても、その日の収入自体に影響はありません。会費の振込み日さえ決めておけば、新規顧客を除く既存顧客の会費を試算し、最低限の収集予測も立てることが可能です。もちろん、会費を払ってもらうだけの商品やサービスを提供しなくてはいけませんが、それに見合った適切な会費の価格設定が出来ていれば、金銭的には楽な仕組みといえます。このように、売り上げの予測が非常に立ちやすいうえに、安定した収入を得ることができるのが会員制店舗が成り立っている理由のひとつです。
新規顧客を積極的に獲得しないということは、新規顧客がいなくても経営が成り立っているということです。ほとんどの企業において「売り上げの8割は2割のリピーターがあげている」と言われています。そのため、その企業が事業を継続していくうえで十分な利益を得られるリピーターがいれば、特に新規顧客を開拓する必要はないのです。このように、「常に新規顧客の獲得に乗り出さなければいけない」というわけではないのです。そのため、企業としては既存にリピーターの満足度を向上させることに注力できるのです。また、その際に会員制ビジネスであれば、リピーターの購買データや嗜好品、趣味、誕生日などのデータが把握しやすく、個人に対して特別なアプローチがしやすいのも大きなメリットとなることでしょう。それらのデータを駆使したアプローチを行った結果、顧客満足度があがり、さらにリピートしてもらえるという好循環が生まれやすいのです。
特に高級クラブや高級ラウンジ、高級ゴルフクラブなどは「既存顧客の紹介がなければ入会できない」というケースが多いようです。そのため、クレーマーなどは少なく、いてもすぐに退会させられてしまうため「質の良い顧客」が集まりやすいのが特徴です。紹介する側も、店舗における自身の立場があるため下手な人間を紹介できませんし、紹介される側も、紹介者の顔を立てるため迂闊な真似はできません。これは言い換えると、自然とその企業(店舗)にマッチした顧客が選別されている、と言えます。紹介者は、信頼できる人間を、「その店舗を気に入ってもらえるだろう」と思って紹介します。これにより、企業や店舗はわざわざターゲットに対してアプローチしなくても、既存のリピーターが同じターゲット層の新規顧客を連れてきてくれるというわけです。広告費も節約でき、さらには顧客の層も高まる。この仕組みは、会員制店舗の大きなメリットと言えるでしょう。
特に広告を打ち出すこともなく、新規顧客の獲得にも積極的ではない「会員制」の店舗。一見すると、どうして経営が成り立っているか不思議に思えますが、実はこのような裏側があるのです。3つの理由をおさらいすると、第一に「安定した収入」。売上予測が非常に具体的に立てることができるうえに、日ごとに売上が伸びることはあっても落ちることはありません。資金繰りが楽なのは、企業にとって魅力的なポイントといえるでしょう。次に「リピーターの存在」。こうした会員制の店舗は、リピーターだけで十分な売上が立ち、利益が出ています。そのため、自ら新規顧客にアピールする必要がないのです。そして「客層の良さ」。特に高級会員制店舗は、紹介式の場合が多く、自然と顧客満足であがるような仕組みが出来上がっています。会員制ビジネスは、もちろん「会費を払うだけの価値」を提供しなくてはいけませんが、一度流れに乗り仕組みを作れば、非常に魅力的なモデルでもあります。チャンスがあれば、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
