印刷物の製本における丁合とは?そのしくみと関連用語について解説

ページ数の多い冊子や本を作成する際、順番に用紙を並べ、製本する必要があります。この並び順通りに用紙を取り集める作業を「丁合」または「丁合取り」といいます。 この記事では、丁合の仕組みや手法、関連する用語について詳しく解説します。

ページ数の多い冊子や本を作成する際、順番に用紙を並べ、製本する必要があります。この並び順通りに用紙を取り集める作業を「丁合」または「丁合取り」といいます。 この記事では、丁合の仕組みや手法、関連する用語について詳しく解説します。
目次
「丁合」とは、冊子のページ順序を整える作業を指し、製本工程における基礎です。工程を正しく理解するためには、丁合が持つ意味を正しく理解しましょう。
「折り丁」とは、製本するための印刷用紙を折ったもので、製本の単位です。
ページ数の多い冊子などを制作する場合、1ページずつではなく、一定のページ数を1枚の大きな用紙にまとめて印刷します。この用紙を決められた手順で折ると、ページが順番通りに並ぶ仕組みです。16ページ折りが基本で、このまとまりのことを「折り丁」といいます。
1ページずつ印刷して製本すると、ページをそろえる際にチェックするのが大変です。一方で、コンテンツの向きや配置を調整したうえでまとめて印刷すれば、手間を削減できて効率的に製本できます。
「丁合」とは、折り丁単位で定められた順番通りに用紙をまとめる作業を指します。まさに「丁を合わせる」作業です。
丁合にはさまざまなバリエーションがあります。
<丁合の例>
・用紙の間に材質の異なる紙を挿入する
・ミシン入れなどの加工をする
・表紙や裏表紙を一緒に丁合する/しない
また、「丁合」の種類に、「合わせ丁合」があります。
「合わせ丁合」とは、丁合を2回から3回に分け、それらを最終的にまとめて製本する方法です。
ページ数が多く、1回の丁合では1冊分をまとめきれない場合は、「合わせ丁合」を使います。
合わせ丁合は、全ページを一度にチェックせずに、単位ごとにチェックできるため効率的です。
現代では、「丁合機」という機械を使って自動的に丁合作業が行われます。
丁合機には、折り丁をセットするための台「鞍(くら)」が並んでいます。この鞍から1部ずつ順に用紙が重ねられていき、機械が一巡すると1単位の折り丁がまとまる仕組みです。
丁合機のあとに、綴じ機、裁断機などを連結すると、冊子を自動的に製造することも可能です。
丁合機は便利ですが、折り丁の不足や重複といった不具合が発生することがあります。これを防ぐために検査装置と組み合わせて使用されます。

丁合にまつわる用語はたくさんあります。
ここでは、その代表的なものとして丁合ミスである「落丁」や「乱丁」、「取込み」、ミスを防ぐための「総繰り」の4つについて1つずつ解説します。
「落丁」とは、特定のページや折り丁が抜け落ちたまま製本してしまう丁合ミスです。
途中のページが抜け落ちているため、構成の一貫性が失われます。
巻末にはよく「落丁本は取り替えます」と記載されていますが、実際には滅多に起きるものではありません。
また、注文した部数が製本されていないことを落丁と呼ぶ場合もあります。このとき不足分を追加して製本することを、「落丁刷り」ということも合わせて覚えておくとよいでしょう。
「乱丁」は、ページの順序や上下が逆さまに製本されてしまった丁合ミスです。
乱丁があると、ページがバラバラになり、構成に一貫性がなく、スムーズに読めません。
また、折り丁の作成段階で間違えると、ページの上下が逆さまになったり、裏表が逆になる場合もあります。
しかし、乱丁も基本的には丁合機のセンサーが感知して取り除くため、最近ではほとんど起きません。起きません。
「取込み」は、同じ折り丁や用紙を重複して取り込んでしまう丁合ミスです。「増丁」や「取り増し」、「2枚差し」とも呼ばれます。
丁合機を利用している場合、取り込む「キャリバー」に不具合があると起こりやすいといわれます。
そのため、事前に防止するためにはキャリバーを含めた丁合機の定期チェックが有効です。
これらの丁合ミスを防ぐための方法の1つが「総繰り」です。
「総繰り」とは、丁合した折り丁ごとにページを読み合わせて順序を確かめる方法です。
たとえば、丁合のページ数の下1桁を読み合わせ、常に折りの表に出るページ数が奇数であることを確かめます。
丁合作業のはじめと中間あたりに抜き取り検査として行うことで、丁合ミスの防止効果を得られます。