挨拶状で句読点を使わない理由や時候の挨拶・季語一覧

挨拶状をいざ書こうとしたとき、適切な時候の挨拶がわからなかったり、「句読点は使わない」といった特有のマナーに戸惑ったりした経験はないでしょうか。 この記事では挨拶状で句読点を使わない理由や、知っておきたい基本マナー、すぐに使える季節ごとの時候の挨拶・季語一覧をご紹介します。

挨拶状をいざ書こうとしたとき、適切な時候の挨拶がわからなかったり、「句読点は使わない」といった特有のマナーに戸惑ったりした経験はないでしょうか。 この記事では挨拶状で句読点を使わない理由や、知っておきたい基本マナー、すぐに使える季節ごとの時候の挨拶・季語一覧をご紹介します。
目次
挨拶状で句読点を使用しない理由は、以下の3つです。
・昔は句読点を使っていない
・句読点を使用すると失礼にあたる
・「縁を切る」と連想させてしまう
挨拶状は一般的な手紙とは異なり、日本語本来の考え方が尊重されるのです。句読点を使用すると相手に不快な思いを与えてしまう可能性もあるため、執筆する際には注意しましょう。ここでは、挨拶状で句読点を使用しない理由を詳しく解説します。
日本は本来、毛筆文化のため句読点を使用していませんでした。明治時代に入って日本の教育システムを整えるうちに、句読点が使われるようになったといわれています。
つまり、句読点が使用されるようになってからあまり年月が経っておらず、挨拶状のような重要な文書では句読点を使用しないことが今も一般的とされているのです。挨拶状では句読点を使用せず、スペースをうまく活用しながら執筆することがマナーといえるでしょう。
挨拶状で句読点を使用することは、相手を子ども扱いしていると捉えられるため失礼にあたります。なぜなら、句読点は「子どもでも文章が読みやすくなるように」といった理由で使われるようになったためです。
そのため挨拶状で使用すると、「句読点がないと文章が読めない」という意味が込められてしまいます。挨拶状を作成する場合は、相手への敬意を込めて句読点を使用しないのがマナーとされているのです。
句読点は文章の流れを一旦切る、または文章を区切るとの意味があることから転じて、縁を切ると連想させてしまうため、挨拶状では句読点を使用しないのが一般的です。挨拶状以外にも、年賀状や招待状などのお祝いごとでは使用しないことが多いでしょう。
しかし近年は文書の形態に関わらず、句読点を使用しても問題ないとの考え方もあるため、挨拶状を送る相手や目的に応じて使い分けることもできます。
挨拶状で句読点を使用せずに書く際は「簡潔で分かりやすく記載する」、「テンプレートを活用する」の2つがポイントです。句読点がないため、簡潔を意識しなければ読みにくい挨拶状となってしまいます。
またどのような文章を書けばよいかわからない場合は、テンプレートを活用することで簡単にきれいな挨拶状を作成できます。ここでは、挨拶状で句読点を使用せずに書くポイントを確認しましょう。
挨拶状を作成する際は情報を適切に伝えるために、簡潔でわかりやすい文章を記載すべきです。文章を作成する際は、「いつ」、「誰が」、「何をしたのか」の3つを含めることで、相手に正確な情報を伝えられます。
気持ちのこもった挨拶状を作成したいが故に凝り過ぎた文章を作成してしまうと、結果的に何を言いたいのかわからなくなってしまいます。そのため、簡潔にまとめた文章に相手への思いやりを込めることで、喜ばれる挨拶状となるでしょう。
挨拶状を執筆した後に、「いつ」、「誰が」、「何をしたのか」が明確になっているかをチェックしておくと安心です。
自分で挨拶状を作成するのは難しいと感じる場合は、テンプレートを活用しましょう。文章の流れが決まっているため、必要な箇所のみを書き加えるだけで挨拶状を作成できるのです。
ラクスルでは無料のテンプレートが240種類あり、目的に応じた文章を選べます。例えば転勤や退職、暑中見舞い、お歳暮などシーン別に分かれているため、簡単に作成できるのが特徴です。テンプレートを活用して、わかりやすい挨拶状を作成しましょう。

挨拶状を書く際は、「季節に応じた時候の挨拶を使うこと」と「用件から記載しないこと」の2つに注意が必要です。時候の挨拶は挨拶状には欠かせない言葉で、相手を気遣う意味も込められています。
また用件から記載せず、頭語を使用することで、より心のこもった挨拶状を作成できます。挨拶状を書く際の注意点を理解し、気持ちのこもった文章を作成しましょう。
挨拶状を作成する際は、時候の挨拶を使用しましょう。時候の挨拶とは季節を表す言葉を使用した文章のことで、挨拶状の初めに記載します。
また時候の挨拶は、季節の移り変わりを表す二十四節気に沿って使い分けるのがマナーです。挨拶状を出す季節に応じて、適切な時候の挨拶を選びましょう。
| 時期 | 上旬 | 中旬 | 下旬 | 時期 | 上旬 | 中旬 | 下旬 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 新春の候 | 寒風の候 | 厳寒の候 | 7月 | 盛夏の候 | 盛夏の候 | 盛夏の候 |
| 初春の候 | 寒中の候 | 大寒の候 | 小暑の候 | 暑中の候 | 大暑の候 | ||
| 2月 | 晩冬の候 | 余寒の候 | 春寒の候 | 8月 | 立秋の候 | 残暑の候 | 残暑の候 |
| 立春の候 | 梅花の候 | 向春の候 | 晩夏の候 | 晩夏の候 | 秋暑の候 | ||
| 3月 | 早春の候 | 仲春の候 | 春分の候 | 9月 | 初秋の候 | 爽秋の候 | 秋涼の候 |
| 浅春の候 | 春色の候 | 春暖の候 | 新涼の候 | 涼風の候 | 秋色の候 | ||
| 4月 | 陽春の候 | 陽春の候 | 春陽の候 | 10月 | 秋色の候 | 秋麗の候 | 秋冷の候 |
| 桜花の候 | 春風の候 | 晩春の候 | 秋晴の候 | 紅葉の候 | 紅葉の候 | ||
| 5月 | 新緑の候 | 新緑の候 | 薫風の候 | 11月 | 晩秋の候 | 落葉の候 | 霜秋の候 |
| 立夏の候 | 薫風の候 | 青葉の候 | 紅葉の候 | 向寒の候 | 向寒の候 | ||
| 6月 | 初夏の候 | 新緑の候 | 梅雨の候 | 12月 | 初冬の候 | 師走の候 | 寒冷の候 |
| 青葉の候 | 向暑の候 | 向暑の候 | 師走の候 | 寒冷の候 | 歳末の候 |
1月
拝啓 新春の候 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
2月
拝啓 向春の候 〇〇様にはいよいよご健勝のこととお慶び申し上げます
3月
拝啓 春暖の候 貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます
4月
拝啓 陽春の候 〇〇様にはお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます
5月
拝啓 薫風の候 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
6月
拝啓 梅雨の候 皆様におかれましては お変わりなくお過ごしのことと存じます
7月
拝啓 盛夏の候 貴社におかれましては ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます
8月上旬(立秋前)
拝啓 盛夏の候 〇〇様におかれましては ご健勝にてお過ごしのこととお慶び申し上げます
8月中旬以降(立秋後)
拝啓 残暑の候 皆様にはなお一層ご清祥のこととお慶び申し上げます
9月
拝啓 初秋の候 貴社いよいよご発展のこととお慶び申し上げます
10月
拝啓 秋麗の候 皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
11月
拝啓 晩秋の候 貴社におかれましては いよいよご隆昌のこととお慶び申し上げます
12月
拝啓 師走の候 〇〇様におかれましては ご多忙の日々をお過ごしのことと存じます
挨拶状を作成する際はいきなり用件から書くのではなく、頭語を活用しましょう。頭語とは文書の最初に置く言葉のことで、日常会話でいう「こんにちは」にあたります。直接会って話をする際に突然用件を伝えないのと同じで、まずは挨拶から始めるのがマナーというわけです。
また頭語は文章の結びに使用する結語と対になっているため、一緒に記載しなければいけません。以下の例を参考に執筆しましょう。
【頭語と結語の例】
拝啓ー敬具
謹啓ー敬具
謹んで申し上げますー敬白
粛啓ー謹白