イラストや画像入りポストカードの作成方法と注意点

イラストや画像を使ったポストカードの作成を検討する際に「どうやって作ればいいのか分からない」「郵送ルールが複雑そう」といった悩みを抱く方も多いでしょう。しかし、作成方法にはいくつかの選択肢があり、適切な知識があれば誰でも素敵なポストカードを作ることができます。本記事では、ポストカードの作成方法や注意点を解説します。

イラストや画像を使ったポストカードの作成を検討する際に「どうやって作ればいいのか分からない」「郵送ルールが複雑そう」といった悩みを抱く方も多いでしょう。しかし、作成方法にはいくつかの選択肢があり、適切な知識があれば誰でも素敵なポストカードを作ることができます。本記事では、ポストカードの作成方法や注意点を解説します。
目次
ポストカードとは、郵便によって送ることができるはがきの名称です。郵政省が発行するはがきだけではなく、私製のものや画像やイラストが印刷された「絵はがき」もこれに含みます。
この絵はがきを、ポストカードとしている場合が多いでしょう。一方、間違えやすいのが「はがき」との違いです。
はがきとはあくまで手紙の種類であり、いわゆる郵便はがきを指します。はがきの裏面は無地で、表面には宛名を書き、切手を貼って送るタイプのものです。
ポストカードとは、郵便はがきや絵はがきなどを全て含めたものであると認識しておきましょう。
ポストカードの概要を理解した上で、次はポストカードに画像を使う際のコツを紹介します。印刷できる範囲が広いポストカードだからこそ、画像や写真をよりきれいに印刷したいものです。ここでは、2つのコツを紹介します。
ポストカードの画像は、用途に合わせたサイズにしましょう。パソコンで作成した画像データをそのまま使用すると、画像サイズが合わず上手く印刷できない場合があります。
画像サイズが合わない場合は、画像の拡大や縮小が必要です。ただし、縮小にはデータの修正や圧縮などの手間と時間がかかります。
一方、拡大は画像を粗くする可能性があり、思った通りの画像とならない可能性があるのです。この対策としては、画像データの作成時点でポストカードに適したサイズにしておくことをおすすめします。
適切なサイズは作成方法によっても異なるため、事前に調べるようにしましょう。
使用する画像の解像度の調整も必要です。解像度とは、画像の鮮明度を知るための値で、単位は「dpi」や「ppi」を使用し、この値が低い画像を使用すると、仕上がりは粗く表現されます。
パソコンの画面上ではきれいに表現されても、実際に印刷するとその粗さが際立つでしょう。一方で、解像度が高過ぎる場合はデータ容量が大きくなり、必要以上に重くなります。こちらも、作成方法ごとに適した解像度があるので注意が必要です。
画像入りポストカードの製作時に注意するべきは、「郵送に関するルールを守ること」とお伝えしました。ここでは、画像にも関わるルールについて解説します。
ポストカードは、その種類によって郵便料金が異なります。一般的なポストカードのサイズである「100×148mm」であれば、63円(2021年現在)で送ることが可能です。
一方、正方形の「140×140mm」であれば120円(2021年現在)となります。63円で送れるサイズの条件は、次の通りです。
長辺:140mm〜154mm
短辺:90mm〜107mm
重さ:2g~6g
形状:長方形
つまり、デザインのデータサイズも、このサイズに合わせて作る必要があります。
宛名面については、記載ルールが設けられています。宛名面のルールは次の通りです。
「郵便はがき」「POSTCARD」を上部または左側中央に配置
「郵便はがき」またはこれと同じ意味の単語を上部もしくは左側中央に配置
この記載がない場合は、63円で送れるはがきとして扱われません。
ポストカードに使う用紙の色は、白色か淡い色を選択しましょう。その理由は、宛名や記載ルールにあった内容を見えやすくするためです。
もし色の濃い用紙を利用する場合は、宛名部分を印刷ではなくシールを使うなどして視認性を高める工夫が必要となります。
宛名面にある郵便番号枠は、必ずしも必要としません。ただし、配置する際は色指定があるので注意しましょう。
色のルールは次の通りです。
金赤(C:0% M:100% Y:100% K:0%)
朱色(C:0% M:85% Y:100% K:0%)※必ずしもこの色の配分でなくても構わない
色指定がある理由は、郵便番号を読み取る機械の誤反応を防ぐためです。
宛名以外の画像などは、用紙の2分の1の範囲で収めるようにと定められています。ポストカードの場合、宛名面に「広告画像」「メッセージ」などを記載する場合も多いでしょう。
その際は用紙の1/2の面積に収める必要があり、縦向きは下半分、横向きは左半分が記載範囲です。また、宛名と広告(画像)の境目を強調する必要もあります。
実際にイラスト入りのポストカードを作る場合、まずはその「作り方」を決める必要があります。ここでは、代表的な4つの方法を見ていきましょう。
まず1つ目は、「実際の店舗でデザイナーと一緒に作る方法」です。お近くにイラスト作成を依頼できる店舗がある場合、この方法が利用できます。主には、出力センターやデザイン事務所などがこれに該当するでしょう。
直接、デザイナーと色や配置などを話し合いながら進められるため、プロのアドバイスも貰いながら理想に近いイラストが作成できます。イラスト作成について全くの初心者の方でも、安心して進めることができるでしょう。
2つ目は、「画像編集ソフトで自作する方法」です。印刷業界でよく使われているフォトショップや、イラストレーターなどを利用してイラストを作成します。
画像編集ソフトは映像素材やweb素材など様々な活用方法があり、イラスト以外にも利用可能です。今後デザインについて「もっと学習したい」「デザインスキルを習得しい」と考える方は、この方法に挑戦してみてもよいでしょう。
ただし、画像編集ソフトの利用にはライセンスの購入が必要となる場合が多く、費用等については事前に確認してみてください。
3つ目は、「手書きで作る方法」です。1枚ずつイラストを書く必要がありますが、その分想いを込めた特別なイラスト入りポストカードが作成できるでしょう。
画材屋には、はがきサイズの様々な用紙が販売されています。量産は難しいですが、その手軽さとプレミア感は他の方法にはない特徴です。
その他に、印刷会社などが用意する「オンラインデザインツールで作る方法」もあります。パソコンのブラウザ上で、誰でも質の高いイラストを作成可能です。また、画像編集ソフトのようにパソコンへのインストール作業を必要とせず、すぐに利用できるでしょう。
多くの場合、無償で提供されている点も嬉しい特徴といえます。豊富なデザインテンプレートも用意されており、自作のイラストと組み合わせることでプロ並みのポストカードを作成することも可能です。
画像編集ソフトやオンラインツールでイラストを作る際には、いくつかの注意するべき点があります。ここでは、代表的な3つの注意点を見ていきましょう。
イラストやデザインを作成する際は、仕上がりサイズより少し大きくしておきましょう。仕上がりサイズよりも、上下左右を数mmずつ大きくしてみてください。
これを「塗り足し」と呼ぶこともあります。塗り足しが無い場合、上下左右に「白いフチ」が残った状態で仕上がることもあるので注意が必要です。
塗り足しの設定方法は、使用するソフトや印刷方法によっても異なるため、事前に確認するようにしましょう。
印刷方法に適した解像度に、設定する必要もあります。スマホアプリや画像編集ソフトで作成したイラストは、そのままだと解像度が高い場合が多いのです。
印刷に適した解像度になるよう、圧縮などの処理が必要となります。使用するアプリやソフトによっては、解像度の調整ができない場合もあるでしょう。解像度の設定方法や印刷に適した解像度は、事前に確認することをおすすめします。
作成したイラストを保存する前に、保存形式についても確認しましょう。ポストカードの印刷方法に合わせた、保存形式にしておく必要があります。
特に印刷を外注する場合は、データー入稿方法が決まっている場合が多く、対応できない保存形式の場合は印刷作業に進むことができません。こちらも、イラスト作成前に事前に確認することをおすすめします。
ポストカードと、官製はがきの大きな違いは「印刷範囲」です。具体的には、「白フチの有無」について異なります。
官製はがきの場合、はがきの周囲5mmには印刷することができず、必ず白いフチが残ります。しかし、ポストカードであればフチ無しで全面に印刷可能です。
作成したイラストを全面に配置したい場合は、官製はがきではなくポストカード一択といえるでしょう。