パンフレットの基本サイズとは?
パンフレットで最も一般的なのは A4仕上がり(210×297mm) です。A4は視認性に優れ、十分な情報量を載せられる一方で持ち運びやすさも確保できるため、会社案内や製品カタログ、学校案内、イベント資料など幅広いシーンで活用されています。
一方で、配布目的やターゲットによっては A5(148×210mm)やB5(182×257mm) といったやや小型の仕上がりが選ばれることもあります。展示会やイベントで配る際には、バッグや手に収まりやすいA5が便利ですし、DMやポスティングではA6やB6といったさらにコンパクトなサイズが好まれるケースもあります。
つまり、パンフレットのサイズ選びは「情報量の多さ」「配布方法」「ターゲットの利用シーン」の3つを基準に考えることがポイントです。標準的なA4を基本に、用途や目的に合わせて最適なサイズを選ぶことで、伝えたい情報をより効果的に届けられます。
パンフレットの規格サイズ早見表(A判・B判)
パンフレットで使われるサイズは、主に A判(国際規格) と B判(日本独自規格) の2系統に分かれます。どちらも印刷物では一般的ですが、特にA判は世界的に広く使われ、B判は日本国内での需要が高いのが特徴です。
以下の表は、代表的なサイズと用途をまとめたものです。
| サイズ | 寸法(mm) | 主な用途 |
| A3 | 297×420 | 大型パンフ、折って二つ折りにして配布 |
| A4 | 210×297 | 会社案内、製品カタログ、店頭配布用など |
| A5 | 148×210 | 展示会配布、携帯用ガイド、イベント資料 |
| A6 | 105×148 | DM同封、ポケットガイド、ショップカード風 |
| B4 | 257×364 | 大判資料、折って利用するケースが多い |
| B5 | 182×257 | 学校案内、セミナー資料、冊子パンフ |
| B6 | 128×182 | 小型パンフ、DMや簡易リーフレット |
●選び方のポイント
・A4仕上がり:情報量と使いやすさのバランスが良く、最も汎用的。
・A5仕上がり:配布用に便利で、展示会やイベントに最適。
・小型サイズ(A6/B6):郵送や携帯性を重視する場合に有効。
・B判サイズ:学校案内や日本国内向け冊子で根強い人気。
この早見表を押さえておけば、用途に応じたサイズ選びの基準が明確になります。
仕上がりサイズと展開サイズの違い
パンフレットを考えるうえで欠かせないのが、仕上がりサイズと展開サイズの違いです。
・仕上がりサイズ:折りたたんだ後の大きさ。実際に配布・収納されるときのサイズ。
・展開サイズ:折りを広げたときの大きさ。デザインやレイアウトを行う際の基準になる。
●具体例:A4三つ折りの場合
・仕上がりサイズ:約 99×210mm または 100×210mm
・展開サイズ:210×297mm(A4)
仕上がりが横幅100mm前後になるのは、長3封筒(120×235mm) に収めやすくするためです。DMや郵送を前提としたパンフレットでは、この仕上がり寸法が標準とされています。
●サイズ確認のポイント
1.配布方法を意識する
→ 郵送なら封筒に収まるかどうかが最重要。
2.デザイン作成時は展開サイズで考える
→ 折り位置や情報の区切りを意識してレイアウトする。
3.仕上がりは配布時のユーザー体験
→ 手に取ったときの大きさや重さが印象に直結する。
この違いを理解しておくことで、郵送のしやすさやレイアウトの自由度を踏まえた設計が可能になります。
折り方とサイズの関係
パンフレットは「折り方」によって見せ方や使い勝手が大きく変わります。同じA4サイズでも、二つ折りか三つ折りかで仕上がりサイズや情報配置がまったく異なるため、デザイン段階での選択が重要です。
●主な折り方と特徴
・二つ折り
A4を半分に折ってA5仕上がりにする形式。シンプルで高級感があり、会社案内・学校案内・セミナー資料などに最適。
>>A5仕上がり2つ折りパンフレット印刷料金表
・巻三つ折り(ロール折り)
A4を3つに折って幅を約100mmに仕上げる形式。ページを順序立てて展開できるため、製品紹介やDM によく利用されます。
>>A4の1/3仕上がり巻き3つ折りパンフレット印刷料金表
・Z折り(外三つ折り)
「Z」の字のように折る形式。ページごとに独立した流れを持たせやすく、イベント案内や旅行パンフレットで活用されます。
>>A4の1/3仕上がり外3つ折りパンフレット印刷料金表
・観音折り
中央から両側を開く形式。展開時に広がりが出るため、観光地の地図や展示会の案内など、ビジュアルを大きく見せたい場合に効果的。
>>A4仕上がり観音折りパンフレット印刷料金表
・外四つ折り・十字折り
大判の紙を4分割に折る形式。スペースが広く取れるため、商品ラインナップや大規模イベント案内に向いています。
>>A4仕上がり十字折りパンフレット印刷料金表
●選び方のポイント
・情報の量と順序性 → 段階的に読ませたいなら「巻三つ折り」
・インパクトや広がり → ビジュアル重視なら「観音折り」
・配布や郵送のしやすさ → 封筒に入れたいなら「三つ折り」
折り方は単なるデザイン上の演出ではなく、情報の伝え方そのものを左右する設計要素です。
用途別に選ぶおすすめのパンフレットサイズ
パンフレットの効果を最大限に引き出すには、配布シーンやターゲットに応じたサイズを選ぶことが大切です。以下に代表的なケースごとのおすすめサイズを紹介します。
●会社案内・製品カタログ
・おすすめサイズ:A4仕上がり
十分な情報量を掲載でき、写真やグラフを入れてもレイアウトが崩れにくいのが特徴。展示会での配布や商談資料としても活用しやすい、最も万能なサイズです。
●展示会・イベント配布
・おすすめサイズ:A5仕上がり
バッグや手に収まりやすく、持ち帰りやすい点が強み。必要な情報をコンパクトにまとめたい場合に最適です。
●観光案内・地図
・おすすめサイズ:観音折りや大判展開サイズ
開いたときに広い面を確保でき、大きな写真や地図を掲載可能。観光パンフレットや展覧会の案内に向いています。
●DM・ポスティング
・おすすめサイズ:A4三つ折り(仕上がり約100×210mm)
長3封筒に収まり、郵送に適したサイズ。コスト効率が良く、郵送パンフレットの定番です。
●メニュー・ポケットガイド
・おすすめサイズ:A6やB6などの小型仕上がり
飲食店のメニューや持ち歩き用のガイド冊子に便利。手軽さや携帯性を重視するシーンに効果的です。
冊子パンフレットのサイズとページ数の目安
パンフレットは折り加工だけでなく、冊子形式で制作されることもあります。ページ数が多い場合や、長期的に活用する資料では冊子タイプが選ばれることが多いです。
●中綴じ冊子
・特徴:用紙を重ねて中央をホチキスで留める方式。
・適正ページ数:8~40ページ程度まで。
・用途:学校案内、会社案内、セミナー資料、薄型の製品カタログなど。
・メリット:比較的安価で製本でき、開きやすい。
●無線綴じ冊子
・特徴:ページをまとめて背に糊付けし、表紙を付ける方式。背表紙が付くのが特徴。
・適正ページ数:40ページ以上の厚め冊子に向く。
・用途:総合カタログ、分厚い製品資料、記念誌、広報誌など。
・メリット:高級感があり、背表紙にタイトルを入れられる。
●サイズの選び方
・A4冊子:視認性が高く、資料やカタログで最も一般的。
・B5冊子:やや小型で持ち運びやすく、教育機関や学会資料に多い。
冊子パンフレットは「ページ数」と「使用目的」によって製本方式とサイズを選ぶのがポイントです。
データ作成・入稿のポイント
パンフレットの仕上がりをきれいに整えるためには、サイズ選びと同じくらい データ作成時の工夫 が重要です。以下のポイントを押さえておくことで、印刷時のトラブルを防ぎ、想定どおりの仕上がりに近づけられます。
●折り込む面は数mm短く設計する
三つ折りや観音折りでは、内側に折り込む面をそのまま同じ幅にすると紙が干渉して浮き上がることがあります。
→ 折り込むパネルを 2〜3mmほど短く設定するのが基本です。
●入稿データは展開サイズで作成する
パンフレットのデザインは、必ず 展開サイズ(広げた状態の寸法)で作成します。仕上がりサイズだけで考えると折り位置がずれたり、デザインが分断されやすいため注意が必要です。
●テンプレートを活用する
印刷会社が配布しているデータ作成テンプレートなどを利用すると、折り位置や塗り足し、余白が正しく設定された状態で制作できます。初心者でも安心してデータを作成できます。
>>折りパンフレットの印刷テンプレートを確認する
●用紙選びの注意点
・折数が少ない場合:やや厚めの紙を使うと高級感が出る。
・折数が多い場合:薄めの紙を選ばないとかさばりやすく、折りづらくなる。
まとめ
パンフレットのサイズ選びは、単に見た目の違いだけではなく、配布方法・用途・ターゲットに直結する重要な要素です。
・A4仕上がりは情報量と視認性のバランスが良く、最も汎用的。
・A5や小型サイズは展示会やDMなど、持ち運びや郵送に便利。
・折り方の工夫で、情報の伝え方や印象が大きく変わる。
・冊子パンフレットはページ数や用途に合わせて「中綴じ」「無線綴じ」を選ぶ。
・データ作成時の基本ルール(展開サイズでの作成、折り込み幅の調整、用紙選び)を守ることで、仕上がりのクオリティが向上する。
目的に合ったサイズと折り方を選び、正しくデータを準備することが、読み手にとって 「見やすく」「伝わりやすい」パンフレット につながります。ぜひ本記事のポイントを参考に、効果的なパンフレット制作に役立ててください。