封筒地色と印刷インクについて

封筒印刷では、用紙の地色が印刷物のカラーに大きな影響を与えます。イメージ通りのカラーで仕上げるには、封筒の地色ごとに印刷色がどのように変化するのかを知っておくことが重要です。 この記事では、正確なカラーを再現するために不可欠な特色インクの役割、そして印刷データの作成時に注意すべきポイントなどについて解説します。

封筒印刷では、用紙の地色が印刷物のカラーに大きな影響を与えます。イメージ通りのカラーで仕上げるには、封筒の地色ごとに印刷色がどのように変化するのかを知っておくことが重要です。 この記事では、正確なカラーを再現するために不可欠な特色インクの役割、そして印刷データの作成時に注意すべきポイントなどについて解説します。
目次
封筒の地色ごとの発色の傾向、色ごとの再現性、印刷時に注意すべきポイントを見ていきましょう。

白い封筒へのCMYKインク印刷の場合、封筒の地色の影響はほとんどなく、カラー本来の色が忠実に再現されます。階調表現が安定しているため、写真や細かなグラデーション表現にも適しており、ベタ塗りの際も鮮やかな発色が得られます。
ただし、使用する紙の種類によって仕上がりに差が出ることがあります。例えば、ケント紙などの表面が滑らかな紙ではインクが定着しにくく、印刷が沈んだりムラになったりする傾向があります。

茶色いクラフト封筒や未晒クラフト紙にCMYKインクを印刷すると、くすんだ色になる傾向があり、明るい色や淡い色の印刷では特に顕著です。
そのため、クラフト封筒に印刷する際には、黒や濃色を用いれば、地色の影響を受けにくくなります。
なお、クラフト封筒では、データ上の白色は表現できず封筒の地色が反映されるため、写真や細かなグラデーションの表現には適しません。印刷部分が多い場合もムラになりやすいため、線画など印刷部分が少ないデザインの表現がおすすめです。

パステルカラーの封筒に別のカラーを印刷すると、インクが地色に影響されてくすんだ色調になったり、視認性が低下することがあります。パステルカラーで視認性を高めるには、紺色のような地色と同系色の濃色で印刷するのが有効ですが、地色が混ざることでいずれにせよ本来とは異なる発色になる点には注意が必要です。
また、濃色の色つき封筒では、インクの色が地色に埋もれてしまい、印刷した色がほとんど視認できないこともあります。一般的に、白インクを使えば濃色の紙にも明瞭な印刷が可能になりますが、ラクスルの封筒印刷では白インクには対応していません。白色を表現したい場合は、白い用紙を選び、該当部分にデザインを配置しないことで紙の地色を活かす必要があります。


封筒印刷では、特色インクを活用することで、CMYKインクでは表現が難しい鮮やかでくっきりとした色を再現でき、デザインの印象を高めることが可能です。
特色インクとは、CMYKのように複数の色を重ねて再現したものではなく、あらかじめ特定の色に合わせて調合されたインクです。
CMYK印刷の場合、鮮やかな色や淡い色では色ズレや濁りが生じやすく、くすみやざらつきが目立つことがあります。一方、特色インクは単色で印刷するので色ズレが起こらず、安定した色の再現が可能です。
そのため、企業ロゴなど正確な色の再現が求められるコーポレートカラーの印刷には、特色インクがよく使用されます。
ラクスルでは封筒の部分印刷で片面の特色印刷が可能です。以下10色から1色指定できます。
・グレー1(DIC-544)、グレー2(DIC-651)
・紺1(DIC-184)、紺2(DIC-F56)
・青(DIC-182)
・緑(DIC-F293)
・オレンジ(DIC-82)
・赤1(DIC-156)、赤2(DIC-197)
・エンジ(DIC-F131)

なお、封筒印刷では素材や下地色によって仕上がりに差が出ることがあるため、もし色校正を希望する場合は、見積もりページからお問い合わせください。
画面イメージどおりに印刷物を仕上げるには、入稿前の色設定と色校正が重要です。
ラクスルでは、CMYKモードでのデータ作成を推奨しており、リッチブラックの設定やインクの総量の管理も重要なポイントです。また、モニターと印刷物の色の違いを最小限に抑えるために、モニターキャリブレーションなどの色校正手法を活用しましょう。
ラクスルの封筒印刷では、モノクロやCMYKカラーに加えて特色1色印刷にも対応しています。特色インクを使用する場合は黒一色(K100)でデータを作成し、使用したい特色インクを指定する必要があります。
また、のりしろや窓の位置、断裁範囲を考慮し、テンプレートを活用して正確なデータを作成しましょう。なお、インクの裏抜けが懸念される場合は、配色を明るくするか紙の種類を変更するなどの工夫が有効です。