事務所移転挨拶状の正しい作り方と印刷のポイント

事務所移転は会社の節目。取引先や関係者へ誠意と新体制を伝える「挨拶状」は、内容だけでなく“印刷仕様と用紙選び”が印象を左右します。本記事では、ビジネスマナーに沿った文面の基本と、二つ折りカード+封筒をはじめとする最適な仕様など印刷物としての完成度を高めるポイントを解説します。

事務所移転は会社の節目。取引先や関係者へ誠意と新体制を伝える「挨拶状」は、内容だけでなく“印刷仕様と用紙選び”が印象を左右します。本記事では、ビジネスマナーに沿った文面の基本と、二つ折りカード+封筒をはじめとする最適な仕様など印刷物としての完成度を高めるポイントを解説します。
目次
事務所移転の挨拶状は、取引先や関係者に新しい所在地や連絡先を知らせると同時に、これまでの感謝と今後の関係継続を伝えるための正式なビジネス文書です。単なる住所変更の通知ではなく、信頼関係を維持するための「礼儀」として位置づけられています。
メールや電話での連絡に比べ、印刷された挨拶状は受け取る側に誠実で丁寧な印象を与えます。紙の質感やデザイン、封筒の有無など、印刷物ならではの要素が会社の姿勢を表すため、企業としての信頼性やブランドイメージにも影響します。
特に取引先や顧客などビジネス上の関係者に送る場合は、フォーマルな印刷挨拶状を用意するのが一般的です。これにより、移転後も円滑な取引を続けたいという意思を明確に伝えることができます。
事務所移転の挨拶状は、誰に・いつ・どのように送るかをあらかじめ整理しておくことが大切です。印刷スケジュールを逆算し、余裕を持って準備することで、移転直前の慌ただしさを避けられます。
送付先は、日頃から取引のある顧客や仕入れ先、業務委託先、関係会社など、業務に関わるすべての相手が対象です。特に取引頻度が高い企業や長年の関係先には、封筒入りの正式な挨拶状を送るのが望ましいでしょう。社内関係者や一部協力先には、簡略化したはがき形式を使い分けるケースもあります。
印刷部数は、宛名リストに少し余裕を持たせて注文するのが基本です。ラクスルなどの印刷サービスでは、少部数からでも発注できるため、在庫リスクを減らしながら必要枚数を確保できます。
挨拶状は、相手の手元に「移転の1か月前から2週間前」までに届くように手配します。早すぎると記憶から薄れ、遅すぎると業務連絡に支障が出るため、最適な時期を見極めることが大切です。印刷や宛名印刷、投函までの工程を考慮し、2〜3週間前にはデザイン確定と印刷依頼を済ませておくのが安心です。
挨拶状作成の基本的な流れは、文面作成 → デザイン選定 → 印刷 → 宛名印刷 → 投函 の順です。
まず文面の内容を確定させたうえで、用紙やレイアウトを選びます。印刷サービスを利用すれば、テンプレートに文面を入力して校正確認を行い、そのまま印刷・発送まで完結できます。これにより、短期間でも丁寧な印刷物を準備することが可能です。
事務所移転の挨拶状は、紙の仕様や封筒の有無によって印象が大きく変わります。フォーマルさを重視するのか、コストや手軽さを優先するのかによって、最適な形式を選ぶことが大切です。ここでは、代表的な仕様と封筒の選び方について解説します。
最も正式で信頼感のあるスタイルが「二つ折りカード+封筒」です。二つ折りにすることで文面を内側に収め、受け取る相手に改まった印象を与えます。プライバシーも保たれ、重要な取引先や関係者への送付に最適です。
二つ折りカードは、時候の挨拶、移転報告、新住所、業務開始日、地図などを整理して掲載できる十分なスペースがあります。サイズは広げた状態で204×154mmが一般的で、ビジネス用途に適した大きさです。

コストを重視したい場合や、社内連絡・親しい関係先への通知には単判カードや官製はがきも有効です。単判カードは一枚ものの印刷物で、封筒付きにすれば簡略ながらも礼儀を保てます。官製はがきは手軽ですが、略式の印象があるため、用途を限定して使うのが望ましいです。

封筒は挨拶状の第一印象を決める重要な要素です。二つ折りカードを使う場合は、洋形2号(162×114mm)などカードに合わせたサイズを選びます。サイズが合っていないと中身が動いて折れやすくなるため注意が必要です。
封筒の色は、白やクリームなど清潔感のあるトーンが基本。会社のロゴや差出人情報を印刷しておくと、受け取る側がすぐに差出元を認識でき、フォーマルな印象を強められます。カードと封筒のデザインや質感を統一することで、全体に一貫性のある印象を与えられるでしょう。

挨拶状の仕上がりを左右する重要な要素のひとつが「用紙選び」です。どんなに内容が丁寧でも、用紙の質感が軽いと印象が損なわれてしまいます。事務所移転という正式な報告には、上質で厚みのある用紙を選ぶことで、誠実さと信頼感を伝えることができます。
厚み: 薄いコピー用紙のような素材では軽い印象になってしまうため、0.3mm前後のしっかりとした厚みのある用紙が理想です。
質感: なめらかで光沢を抑えた表面のものや、手触りに温かみのある用紙を選ぶと高級感が出ます。
ケント(Wケント2号)
厚み:約0.3mm(265g/m²)
滑らかな表面でコシがあり、シンプルで清潔感のある印象を与えます。どんな業種にも使いやすく、最もスタンダードな挨拶状用紙です。
白雲礼
厚み:約0.3mm(300g/m²)
和紙のような風合いと雲模様が特徴で、落ち着いた雰囲気を演出します。温かみや上品さを重視したい場合に適しています。
事務所移転の挨拶状は、決まった構成と礼儀に沿って作成することで、読みやすく信頼感のある印象を与えることができます。文面はシンプルで構いませんが、伝えるべき情報が漏れないよう順序立てて整理しましょう。
挨拶状には、以下の項目を明確に盛り込むことが基本です。
これらの情報を漏れなく記載することで、読み手が一目で要点を理解できる挨拶状になります。特に住所や連絡先の表記は誤記に注意し、正式表記で記載しましょう。
挨拶状はビジネス文書であるため、頭語・結語や時候の挨拶を正しく使うことが大切です。
冒頭には「拝啓」や「謹啓」などの頭語を用い、結びには「敬具」「謹白」で締めます。
また、季節に応じて「春暖の候」「盛夏の候」「秋涼の候」「師走の候」など、自然な時候表現を選びましょう。
社内・親しい関係向けには、形式を簡略化して「平素よりお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。」などの一般的な文面でも問題ありません。
ビジネス挨拶状では、印刷レイアウトの工夫で情報をわかりやすく整理することができます。
会社ロゴを文末または右上に配置するとブランドとしての一貫性が出ます。地図を掲載する場合は、簡潔で視認性の高いものを添えると親切です。
近年では、地図やアクセス情報をQRコード化して挨拶状に印刷する方法も一般的です。受け取った相手がスマートフォンで簡単にアクセスでき、利便性を高められます。
紙面全体のバランスを意識しながら、伝わりやすく整ったレイアウトに仕上げましょう。
事務所移転の挨拶状を一からデザインするのは手間がかかりますが、印刷サービスが提供するテンプレートを活用すれば、短時間でフォーマルな印象の挨拶状を作成できます。文面やレイアウトがあらかじめ整っているため、内容を差し替えるだけで完成度の高い仕上がりになります。
ラクスルでは、事務所移転専用の挨拶状テンプレートが多数用意されています。二つ折りカードや単判カード、はがきタイプなど、用途や目的に応じて選べる構成になっており、ビジネスのフォーマル度合いに合わせたデザインを選択できます。
テンプレートには、定型の文例やレイアウトが組み込まれているため、社名・住所・業務開始日を入力するだけで、すぐに印刷データを作成できます。フォントや余白の調整も自動で整えられるため、デザイン経験がなくても美しい印刷物に仕上がります。
テンプレートを選ぶ際は、送り先や企業イメージに合ったトーンを意識することが大切です。
テンプレートを使えば、レイアウト崩れや印刷ズレなどのリスクを最小限に抑えつつ、短納期で仕上げることが可能です。見た目の完成度だけでなく、効率面でも大きなメリットがあります。