会社案内パンフレットの仕様・サイズ・用紙まとめ

目的と役割

会社案内パンフレットは、企業の理念・事業内容・沿革・強みなどをわかりやすくまとめた冊子です。
営業先や展示会、採用説明会などで配布され、企業の第一印象を決定づける重要なツールとなります。

単なる紹介資料ではなく、「この会社と取引したい」「ここで働きたい」という信頼感や共感を生むためのコミュニケーション手段です。デザインや構成の完成度が、企業ブランドの印象を左右するといっても過言ではありません。

特に近年では、紙のパンフレットをPDF化してウェブ掲載するケースも増えており、印刷物としての品質とデジタル閲覧のしやすさの両立が求められています。

活用シーンと効果

会社案内パンフレットは、目的に応じて活用の幅が広いのが特徴です。

・営業ツールとしての活用
商談や提案時に配布することで、会社の信頼性や実績を印象づけ、成約率向上につながります。

・採用活動での使用
企業理念や職場の雰囲気を伝えることで、応募者の理解を深め、ミスマッチを防ぎます。

・展示会・イベントでの配布
短時間で自社の特徴を伝え、興味を持った相手への後追い営業をしやすくします。

・株主・金融機関向け資料として
経営姿勢や事業基盤を明確に示し、安心感を与える効果があります。

このように、会社案内パンフレットは単なる印刷物ではなく、企業の「信頼」と「価値」を形にするツールとして、あらゆる場面で重要な役割を果たします。

無線綴じ（冊子タイプ）

背表紙があり、高級感と耐久性を兼ね備えた製本方法です。
ページ数が多く、企業理念や沿革、事業紹介などをじっくり掲載したい会社案内に最適です。
厚みが出るため本棚にも保管しやすく、信頼感や安定感を演出できます。
長期間使用する正式な会社案内冊子や、株主・取引先向けの資料としておすすめです。

中綴じ（標準タイプ）

中央をホッチキスで留める一般的な製本方法です。
見開きデザインを活かしやすく、事業紹介や採用パンフレットなど幅広い用途に向いています。
無線綴じより軽量でコストを抑えられるため、手軽に冊子体裁を整えたい場合に便利です。
ページ数は8～32ページ程度が目安で、スタンダードな会社案内として最も多く利用されています。

折りパンフレット（二つ折り・三つ折り）

A4用紙を二つ折りまたは三つ折りにして作成する簡易タイプです。
情報を要点に絞って伝えたい場合や、展示会・イベントなどでの配布用に適しています。
軽量で持ち運びやすく、コストを抑えられるのが特徴です。
ただし掲載できる情報量が限られるため、より詳細な会社案内を別途用意して使い分けるのがおすすめです。

仕様比較早見表

A4仕上がり

折り加工後の仕上がりがA4サイズ（210×297mm）となります。最も一般的で、多くの企業が採用している定番サイズです。
ビジネス文書やプレゼン資料と同じ大きさのため、他の書類と一緒にファイリングしやすく、フォーマルな紙面が広く、写真やグラフ、テキストをゆったり配置できるため、内容を充実させやすい点もメリットです。
信頼感と読みやすさを両立できるため、初めて会社案内を作成する場合はA4サイズを選ぶのが無難です。

B5仕上がり

折り加工後の仕上がりがB5サイズ（182×257mm）となります。
A4よりもややコンパクトで軽量な印象を与えます。
持ち運びしやすく、営業訪問や説明会などで配布する際に便利です。
フォーマルさも維持できるため、情報量と携帯性のバランスを取りたい場合に適しています。

A5仕上がり

折り加工後の仕上がりがA5サイズ（148×210mm）となります。
さらに小型で、カジュアルな印象になります。
特定の製品やサービス紹介など、内容を絞ったパンフレットやイベント配布物として使うのに向いています。
ただし、企業全体を紹介する正式な会社案内としては小さすぎる場合があるため、補助的な資料としての利用がおすすめです。

サイズ別比較表

用紙選びの基本

会社案内パンフレットに使う用紙は、手に取ったときの質感や発色を通じて、企業の印象を左右する重要な要素です。
紙の種類と厚さ（斤量）の組み合わせによって、高級感や信頼感の伝わり方が変わります。
ここでは、会社案内でよく使用される代表的な紙の特徴と選び方を紹介します。

マット紙（マット）

光沢を抑えたしっとりとした質感が特徴で、落ち着いた上質感を演出できます。
文字が読みやすく、写真や図版も自然なトーンで仕上がるため、信頼性や誠実さを重視した会社案内に向いています。
反射が少ないため、長文の読み物としても快適で、幅広い業種に採用されている定番の用紙です。

光沢紙 （コート）

表面に強い光沢があり、写真やグラフィックを鮮やかに見せられる用紙です。
デザイン性やビジュアル表現を重視する会社案内に適しています。
一方で、反射が強いため文字中心のレイアウトでは読みづらくなる場合があります。
製品紹介やデザイン重視のパンフレットに用いると効果的です。

普通紙（上質）

コーティングを施さず、自然な風合いを持つ用紙です。
温かみがあり、落ち着いた印象を与えるため、地域密着型の企業や環境に配慮したブランドに好まれます。
ナチュラルで柔らかな仕上がりは、理念や想いを伝える内容と相性が良く、信頼感を重視したパンフレットに適しています。

用紙の厚さ（斤量）の選び方

用紙の厚さは、仕上がりの印象を大きく左右します。
薄すぎると安っぽく見え、厚すぎるとページをめくりにくくなるため、目的に応じたバランスが重要です。

本文ページには110kg〜135kg、表紙には180kg〜220kg程度を使用するのが一般的です。
適度な厚みを持たせることで、手に取ったときのしっかりとした質感と高級感を演出できます。
特に無線綴じ冊子では厚めの表紙を選ぶと、耐久性が高まり長期間の保管にも適しています。
仕様や印刷方式によって使用できる厚さが異なる場合があるため、発注前に確認しておくと安心です。

構成の基本

会社案内パンフレットは、企業の情報を整理し、読者がスムーズに理解できるように構成することが重要です。
単に情報を並べるのではなく、「企業の理念や価値がどのように形になっているか」を順序立てて伝えることで、印象に残る資料になります。
以下は、多くの企業で採用されている基本的な構成例です。

1. 表紙
   企業ロゴやスローガンを配置し、第一印象を決定づけるデザインにします。
   ビジュアルとキャッチコピーで、どんな会社かが直感的に伝わることが大切です。
2. 代表挨拶
   トップメッセージを通して企業の姿勢や理念を伝えます。
   写真と合わせて掲載することで信頼感が高まります。
3. 企業理念・ビジョン
   会社の存在意義や将来像を明確に示すことで、読者の共感を得やすくなります。
4. 会社概要・沿革
   所在地、設立年、事業内容、社員数などの基本情報をまとめます。
   沿革を時系列で掲載すると、成長の過程がわかりやすくなります。
5. 事業内容・サービス紹介
   主要事業や製品・サービスを具体的に紹介します。
   図や写真を使ってビジュアルで理解しやすくするのが効果的です。
6. 実績・取引先紹介
   導入事例や主要取引先を掲載すると、信頼性を裏付けられます。
7. 採用・社員紹介・CSR活動
   企業文化や働く人の雰囲気を伝えることで、採用活動にも活用できます。
   社会貢献や環境への取り組みを紹介することで、ブランドイメージを高められます。

デザインのポイント

会社案内は、見やすさと印象の両立が求められます。
どんなに内容が良くても、レイアウトや配色が不適切だと伝わりにくくなってしまいます。
以下のポイントを意識すると、信頼感のある仕上がりになります。

• ブランドカラーを統一する
  コーポレートカラーを基調にすることで、一貫性と安心感を与えます。
• 写真や図版を効果的に使う
  文字だけでなく、ビジュアルを用いて直感的に理解できる構成にします。
• 余白を十分に取る
  情報を詰め込みすぎず、読みやすさと高級感を両立させます。
• 見出しの階層を明確にする
  情報の整理がしやすくなり、読者が目的の内容を探しやすくなります。
• フォントは2〜3種類に抑える
  統一感を保ち、読みやすさを維持します。

会社案内パンフレットは、単なる会社紹介ではなく、信頼を築くための「企業の顔」となる資料です。
伝えたい内容を整理し、読み手に寄り添った構成とデザインを意識することで、長く活用できる効果的なパンフレットを作成できます。