【本作りの柱】エディトリアルデザインの役割
「エディトリアルデザイン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。デザイン業にかかわらない人には、馴染みのない言葉かもしれません。実は、このエディトリアルデザインこそが、本の編集作業では重要な役割を持っているのです。
「エディトリアルデザイン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。デザイン業にかかわらない人には、馴染みのない言葉かもしれません。実は、このエディトリアルデザインこそが、本の編集作業では重要な役割を持っているのです。
「エディトリアル」とは「編集上の」という意味です。エディトリアルデザインとは、新聞や雑誌などの編集において、編集意図に沿って全体を読みやすく構成する作業のことです。この作業を職業としている人を、エディトリアルデザイナーと呼びます。
文字の大きさや色使いなど、部分的なデザインを考える作業がグラフィックデザインです。エディトリアルデザインは、編集者の意図を汲み取り、本や雑誌の目的をわかりやすく構成することが仕事です。全体をまとめる作業となるため、グラフィックデザイン面への配慮も必要となります。
いくら素晴らしい写真や画像を駆使し、わかりやすい説明を随所に取り入れても、それが雑誌の中でバラバラに並んでいては読み手は混乱してしまいます。エディトリアルデザインによって各ページのデザインは交通整理され、さらに魅力を持つことができます。
ふだん何気なく手にしている雑誌や本にも、様々な仕事が隠れています。本全体の構成から、細部のデザイン、使う紙の選定など、数えきれない人の手によって作られています。エディトリアルデザインについて知っておくと、本の読み方も意識が変わってきそうですね。