意外と知らない、名刺のサイズ・寸法
名刺はビジネスマンにとっては、欠かせないコミュニケーションツールです。初対面の場合、名刺から会話のきっかけを作り出す方も多いと思います。名刺の受け取り方や、受けとった名刺のしまい方、揃え方などにはいろいろなルールがあるようですが、今回は名刺のサイズについて注目したいと思います。
名刺はビジネスマンにとっては、欠かせないコミュニケーションツールです。初対面の場合、名刺から会話のきっかけを作り出す方も多いと思います。名刺の受け取り方や、受けとった名刺のしまい方、揃え方などにはいろいろなルールがあるようですが、今回は名刺のサイズについて注目したいと思います。
名刺のサイズには、これといった決まりごとはありませんが、皆さんがお持ちの名刺はほとんど、55x91mmのサイズで統一されていると思います。
このサイズを「東京4号」、あるいは「大阪9号」と呼んでいます。東京と大阪で呼び方が異なるものの、実際のサイズはまったく同じものです。ここでは「名刺4号」で統一したいと思います。
事実上のデファクトスタンダードである名刺4号ですが、実は名刺にはいくつもの種類があります。少し前は、女性の名刺は男性より小さめで角が丸くなった「3号(49×85㎜)」が使われていましたが、男女雇用均等法などの施行もあり、銀座のバー以外では、もうほとんど見ることがありません。
名刺+広告としてよく使われるのが、名刺4号を縦、あるいは横に倍にして2つ折りにした、「4号2つ折り」「4号長2つ折り」です。
このサイズですと、通常の名刺入れにも収納することができ、名刺機能に加えて、商品やサービスを告知できるので、情報を沢山入れたい時や、イベント告知などにはもってこいかもしれません。
その他、4号より大きめの5号(61×100㎜)、7号(76x121mm)、小さめの小型4号(39x70mm)やmini(40x66mm)、正方形mini(49×49)などがありますが、現物を見ることはほとんどありません。想像するに、商品カードなど、他の用途で利用されているものと思われます。
海外では、日本の4号より小ぶりな欧米サイズ(89x51mm)が使われます。スーツの胸ポケットにうまく入るサイズと言われています。
以前は、初対面で挨拶をすると、名刺を持たない海外の方は、最初に名前を言ってくれるのですが、名刺に慣れている日本人には、名前を覚えるのに、一苦労でした。最近は日本やアジアと交流することも多くなり、名刺を用意される方も多くなっています。特にメールアドレスの交換には好都合のようです。
名刺4号のサイズの由来に関しては諸説ありますが、よく言われているのが、昔の尺貫法の3尺がほぼ91mmに相当し、ちょうどバランスの良い49mmに落ち着いたという説です。
名刺の縦横比は、黄金比と言われて、人々が最も美しいと感じられる比率と言われ、歴史の中で、このサイズに収まったと言われています。
黄金比は1:1.618の比率で、トランプやキャッシュカードといった身の回りのものや、ギリシャのパルテノン神殿、自然界ではオウム貝なども黄金比になっており、人の感覚に受け入れやすい比率として、デザインなどにもよく取り入れられています。
もともと名刺の起源は中国由来で、訪問先の屋敷の門に設置されていたポストのようなものに、「刺」という姓名、身分を表す札を投じたことから始まったと言われています。この習慣は中国、日本などを中心にアジア地域に定着しています。
国会議員や著名人は、名前だけを大きく表示した、名刺を利用している方もいます。
俺は有名人なんだという感覚にはちょっと抵抗感を持つ方も多いと思います。そういう意味でも、初対面でのイメージを左右するのが、名刺の力です。初対面からあまり主張しすぎるのは、あまり良くないかもしれません。
サイズを変えることは、難しいことではありませんが、常識や暗黙の社会ルールで、今使われている名刺4号が定着したものと思われます。最近は写真や二次元バーコードを利用するなど、名刺のデザインも変化してきています。
デジタル化が進む中で、名刺の廃止と言った動きは聞いたことがありません。名刺は自社だけの問題ではなく、社会に定着したツールとして存在しています。名刺4号サイズは、当分デファクトとして、広く利用されていくでしょう。